｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ34)

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原作開始の合図を＿＿肆ページ34

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｢ナルト君、Aちゃん｣

｢ミズキ先生…‼︎｣

(ナルトには申し訳無いが)随分気持ちも涙も落ち着いた時だった。後ろから追いかけて来たであろう水色の髪が特徴的な男＿＿＿＿ミズキが現れた。驚くナルトを他所にAは赤く腫れた瞳でミズキを胡乱気に見つめる

ここからの展開は知っている
でも自分が止めてしまったらナルトが卒業出来なくなる、主人公が卒業出来なくなるのはまずいと思って立ち去ろうとした時ミズキは言った

｢待って、Aちゃんにも話があるんだ｣

｢…？｣

｢二人共其処の上に登って話をしよう？｣

(あたしも…？なんで？)

酷い突っ掛かりを覚えるのは自分だけか？
しかしナルトが｢解ったってばよ｣と言うものだから連れられて側の建物の上へと移動する。原作においてミズキがナルトを唆した場所、違う所を上げればAも同じ場所に居ると言う事だ

｢＿＿＿＿イルカ先生真面目な人だから…小さい頃に両親が死んで何でも一人でがんばってきた人だからね｣

｢だからってなんでオレばっかり
それにAは分身使わなくたってスゲーのに失格にする事はねーだろ！｣

｢な、ナルト⁉︎先生の前で言っちゃ駄目だって…⁉︎｣

最初はナルトの愚痴から始まったのに急に何なんだ？
予想外の言葉が出て来て思わず彼の口を塞ごうとしたが｢オレの友達を泣かすのは許せねー！｣と一点張りである

その姿がまるで子供の頃の柱間と重なった気がした

｢…イルカ先生にとってナルト君は自分に似ていると思ったんじゃないのかな。Aちゃんを失格にしたのはいくら同年代で抜きん出た技を持っていても増長して欲しくなかったと思うんだ｣

(増長…)

｢君達には本当の意味で強くなって欲しいと思っているんだよきっと…イルカ先生の気持ち少しは分かってあげられないかな。特にナルト君…親のいない君だから(・・・)こそ……｣

｢……でも…卒業したかったんだぁ｣

一瞬ミズキの目が企む様な目付きに変わった
見逃さなかった自分は合わせる様に｢あたしも…｣と言う
乗りかかった船…否、"元々嵌めるつもりだったのだ"

(…上等だ)

漸くこの男の腑と目的が明確に見えて来た
良いだろう、今日だけ特別にその策略に乗ってやる

ナルトと自分を嵌めて痛い目を見るのはお前だミズキ！

｢仕方がない｣

｢え？｣

｢ミズキ先生？｣

｢君達にとっておきの秘密を教えよう｣

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