｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ31)

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原作開始の合図を＿＿壱ページ31

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霜月、師走、春と過ぎてそろそろ葉月も半ばに差し掛かった頃。Aは火影岩の天辺、"木の葉に穴を開けて"里全体を眺めていた

＿＿＿＿下に居る歴代の火影達の顔岩にペンキで落書きするナルトの声を呑気に聞きながら

｢バーカ！うっせんだってばよ‼︎お前らさ！お前らさ！こんな卑劣なこと出来ねーだろ‼︎だがオレは出来る‼︎オレはスゴイ‼︎｣

(いやぁ｢卑劣｣なら扉間の方がダントツ一位だわ)

｢ナルトー二代目には｢真面目馬鹿｣って書かなきゃ駄目だよ｣

｢そー言うならAも手伝えってば！葉っぱに穴開けて眺めてるんじゃなくてさ！｣

｢やだよ面倒くさい｣と答えていると火影邸の屋上からイルカが出て来た。隣にはヒルゼン、遠目でも解るくらい自分に半目を向けてる。ここからでも｢何故止めてやらぬのですかA様…！｣と無言で訴えているのが解った

(仕方ないでしょうこれ原作通りなんだから(・・・・・・・・・)。正規ルートに手を出せるかよ)

先のナルトの発言で原作が始まったんだと自覚したAである

授業が丁度自習で彼に誘われて見守る程度で悪戯に加担したら原作スタートしていたのだ。ならば止める必要もあるまい。これからイルカが怒るのだし

｢ナルトー！Aー！何やってんだ授業中だぞ！早く降りてこい！バカものーーーーーー！！！｣

｢やべ！イルカ先生だ｣

｢はーい今降りますよ｣

｢あー！待てってA！！！オレも降りる！｣

｢ごめんねナルト？瞬身の術(・・・・)は定員一名様なのだ。瞬身の術！｣

寅、戌、子と印を組んで瞬身の術を発動させる
シスイに教わって春先に漸くマスターした新術だ
もう完全にコントロールが出来るようになり、その証明に瞬き一つの速度で火影邸の屋上に辿り着いていた

｢イルカ先生…あたしまで｢バカ｣扱いは無いじゃないですか。あたしはただお気に入りの場所で里を眺めてただけなのに｣

｢ナルトの悪戯を止めなかったお前も同罪だ！今日は罰として復習テストさせるからな！｣

｢えー…抜き打ちですかー…？｣

｢当たり前だ！特にA、お前は明日初めての卒業試験だろ！呑気に里を眺めてる暇はないんだぞ！｣

｢…落ちますよきっと｣

｢？｣

｢いーえ何でも
先に教室戻ってまーす！先生はナルトとっ捕まえて来て下さいね！｣

自分はナルトの様に多重影分身の軌跡すら起こせない

…なのにどうやって卒業しようって言うんだクソ野郎

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