｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ30)

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増えて悪いものではなく＿＿伍ページ30

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｢あーあ、結局飛雷神の巻物見つかんなかったなぁ
また学校終わったら探そ｣

｢あまりワシをこき使うのはおやめ下さいA様……｣

火影としての威厳がどーのこーのと訴える老人の文句なんて聞くものか。火影であれプロフェッサーであれ、Aにとっては扉間にいっつも怒られている悪戯小僧でダンゾウと喧嘩してる｢猿飛ヒルゼン｣である

適当に聞いているフリをしながら廊下を歩いていると…ふと、向こうから誰かがやって来る足音が聞こえた。ついと視線を滑らせてみると其処には

｢あれ？ミズキ先生(・・・・・)こんにちは｣

｢ミズキかどうした？｣

｢三代目、来期の卒業試験について報告をさせて頂こうと思ったのですが＿＿＿＿イルカ先生の生徒が先約だったようですね｣

薄い水色の髪が特徴的な中忍ベストを着た"一見爽やかそうな美男子"。中忍の位置に居るのが不自然な程万能手(オールラウンダー)の実力を持つミズキだが…見た目にはご注意、腹の底で真っ黒なものを抱えている野心家である

そして後々『NARUTO』第一話においてナルトが最初に倒す敵だ

今はまだ普通に先生をやっているものの…
どうもこの男、Aに対して嫉妬と殺意を併せた視線を向けて来る。忍者学校生のくせに火影と仲が良いのがそんな嫌か？

｢すまんな、Aには少しジジイの息抜きに付き合って貰ってのぉ｣

｢そうでしたか
イルカ先生から聞いての通りAちゃんは真面目で良い子だね。今日も先生の荷物を率先して運んだんだって？偉いじゃないか｣

｢あはは…そんな事ないですよ
イルカ先生にとって胸を張れる教え子でいたいだけです｣

良い声しているくせに本性を知っているせいだろか
全部嫌味にしか聞こえないのは気のせいか？

と言うかそんな話をしていたとは初耳だ
ヒルゼンに至っては｢えっ？そんな事しておられたのですか？｣と言いたげな視線を向けてきている。失礼なこれでも二度目の学生生活ちゃんとやってるんだぞ

(にしても……卒業試験、かぁ…)

もう季節は霜月の終わりだ
自分はもう十二歳…来年には原作が始まる
瞬身は大凡形になって来たし原作始動には間に合うがやはり問題は……

(卒業試験の課題は分身の術でブレないんだろうなぁ…)

ナルトみたいにヒョロヒョロな分身体が出る訳ではないけれど殺しにかかると言う奇行をおっ始めるAの分身。正直言って合格出来る自信がない

あたし…ちゃんと忍になれるのかな…？

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