｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ29)

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増えて悪いものではなく＿＿肆ページ29

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｢話は大体解りましたが……それで…何をしておられるんですかのA様…？？｣

｢え？書庫漁ってるんだけど？？｣

授業も終わり下校時間になった後、Aはナルト達から一緒に悪戯やろうと言う誘いを断って火影邸に訪れていた。一応まぁ近況報告も兼ねてヒルゼンの所に遊びに来たのだが本題は実はそうじゃ無かったりする

この書庫は扉間が禁術にした術の巻物から自分が書いた大筒木の巻物まで色々な物が収まっている場所だ。原作一話でも見ての通り普通なら立ち入り禁止である。しかしながらAは木ノ葉創設に関わった例外、普通に入れてしまう

第三者が見て｢火影様が付きっきりだから大丈夫だろう｣とヒルゼンにカモフラージュを頼めるくらいには火影を顎で使ってしまっているし

｢いやね？｢飛雷神の術｣覚えたいからどっかにないかなーって。彼奴の事だからどうせ此処に置いてるでしょう？｣

｢・・・A様、今はシスイから瞬身の術を教わっておられるのでは？｣

｢教わってるよ？でも｢瞬身の術｣と｢飛雷神の術｣は違うから｣

｢瞬身の術｣はあくまでもチャクラで身体を強化し
残像が見えるレベル速度で移動を可能とする術
行きたい場所に直ぐ行けるがそれでも自分が行った事ある場所まで

｢飛雷神の術｣はクナイ等物体に印(マーキング)を施し
口寄せの原理を応用してどんなに遠い場所でもワープ可能な時空間忍術

｢ハァー…A様｢飛雷神の術｣と言うのは…｣

｢取得難易度Sでしょう？知ってるやい｣

過去｢飛雷神の術｣を個人で扱えたのは扉間と｢黄色い閃光｣の異名を持つ四代目火影にしてナルトの父、波風ミナトのみ

忍武器などが入っているポーチからあるものを取り出す

刃の部分に皮のカバーをかけているものの抜けば三本線と二重丸にバツ印が施され、柄の部分が楕円型に切り取られた中に青色のチャクラが入ったクナイ。昔扉間から誕生日プレゼントで貰った懐かしのそれ。まさか貰って当日に使う羽目になるとは夢にも思わなかった

｢それは…持ってらっしゃったのですね｣

｢ほぼお守り代わりだけどね…強くならなきゃいけないんだ、卒業したら沢山の敵と戦う事になる＿＿＿＿お願いだから止めないでよヒルゼン。あんたも忍なら｣

｢ｯ……解っております…｣

(変わりましたな…A様…)

ヒルゼンが何かを思うように火影の笠の鍔を下げたけれど自分は気付かないフリをした。……その憂いを…決して知ってはならない

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