｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ13)

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｢四人目｣＿＿肆ページ13

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『Aちゃん〜？僕外で遊んでおいでって言ったよね〜？…出てって三十分も経ってないよ？』

｢あんな早い時間に出ても店空いてないよ｣

『で……そこの目玉無しの童を連れて来たのか』

エンキのレモン色の瞳の先には文字通り｢蛇に睨まれている｣シスイの姿があった

事情は後々聞くとしてAは彼を家に連れて来た。まだヒルゼン達すら来た事のない｢外見はそこそこ大きい平屋、しかし中に入れば外見詐欺上等の不可思議な室内｣＿＿＿＿Aがこれまでエンリルとエンキそして四人の侍女達と共に修行し暮らす異空間

無論そんなものが一発で解ってしまうといけないので部屋の奥に秘密の扉を用意して｢異空間の建物側｣と｢外見と同じ構造の部屋｣がちゃんと用意されている訳だが

まぁ何故シスイを連れて来たかと言うと…

｢二人にシスイさんの目をどうにかして貰えないかなって｣

｢A様⁉︎そんな事して頂かなくてもオレ平気ですよ？目が無くても戦えるレベルまでは回復しましたし…｣

差物のシスイもその発言は予想していなかったらしく大慌てで拒否をする。しかもすんなりAを創設者の一人その人と受け入れて

確かに彼がここまで来るまでの仕草や動きはまるで目を失っていないかの様な違和感のないものであった。恐らく両目を失ってから大分努力したのだろう、片方の目が失った理由は解っている。もう片方は解らないし身を投げたのは間違いない筈

(だから…)

｢シスイさんはヒルゼン達からあたしの護衛役の任を受けてるんですよね？｣

｢はい｣

｢あたし、忍になったらこれでもかーって危険な場所に突っ込みます。｢烙曜｣とも本格的に戦うつもりです｣

｢……｣

｢シスイさんはそんな人間の護衛役なんです…賢くて機転の利く貴方ならこの重さが解りますよね？｣

｢つまり…A様はオレに｢捲き込まれた時足手纏いになって死んで欲しくないから五感を揃えろ｣と…｣

｢足手纏いは余計ですけどね？それぐらいこれから相手する敵はハンデで渡り合えないって事です｣

｢瞬身のシスイ｣の異名を持つ手練れの彼の力を過小評価している訳じゃない。だがここから先｢烙曜｣を含む数々の敵と相対した際｢うちは一族の血継限界｣無しでの戦闘は厳しいと判断出来る。特に前者は血継限界を持っていたり偉人の力を使って来る化物集団だ

｢"一緒に戦って欲しいから万全な状態でいて欲しい"…それじゃ嫌ですか？｣

｢！…いい性格してますよ、A様は｣

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