｢勇んで戦う者｣ノ御記＿＿肆. (ページ12)

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｢四人目｣＿＿参ページ12

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護衛の顔を一度拝んでやろうと気配を完全に消して近付いてみればAはフードと仮面を外させたその姿に瞠目せざる得なかった

癖っ毛の黒髪はカガミ(大叔父)譲りとしか思えないくらいとても懐かしくて、顔立ちは何処か彼のアカリ(祖母)の面影を残している。しかしその両目は包帯でぐるぐると巻かれておりダンゾウ同様窪んでいた。特に彼は二つも…だ

(なん…で……？)

この人はもう既に死んでいなければならない人だ。生きてるなんて原作と違う(・・・・・)‼︎

頭を殴られた様な衝撃と動揺に思わずその名を溢した

｢"シスイ"、さん…？｣

うちはシスイ＿＿＿＿うちはカガミの子孫にしてアカリの孫。｢瞬身のシスイ｣の異名を持ち、イタチの友で同時にイタチの万華鏡写輪眼開眼の起因となった。一族内でも桁外れの万華鏡写輪眼｢別天神｣を宿す…ある意味においてラスボス向きな力を持っており、原作ではそれが原因でダンゾウから片目を奪われ……最期はイタチにもう片方の目を託し自ら命を絶った青年である

……そう、彼は…シスイは原作開始時点で既に死んでいなければならない。その筈なのに何故か自分の前に居る。生きているんだ(・・・・・・・)

｢ｯｯ！！！！｣

｢うおっ⁉︎急に抱き着くと危ないだろ⁉︎｣

｢ｯ…ごめんなさい…でも…でも…！｣

疑問何か全部吹っ飛んでAはシスイに抱き着いた

うちはシスイが生きてた
ちゃんと此処に居て突然抱き着いた自分を離そうともせずただそのままにしてくれている。服越しに伝わる温もりが、一定のリズムを刻む心臓の音が、どれだけ嬉しい事か

＿＿｢…いいえ、昔から驚かされてばかりのワシ達でもA様を驚かせる事が出来ると思いましての｣＿＿

(驚く処じゃないよ馬鹿！でも……)

｢死んで無くて良かった……！｣

｢！｣

｢救えられなかったんだ｣って崖の天辺で里を眺めていた時そう思っていたから。｢死んでしまったんだ｣と思ってたから

生きていて良かった
死んで無くて本当に良かった
生きていてくれてありがとう…死なないでいてくれて本当にありがとう

｢お前は一体…｣

訝しげに問い掛けるシスイはどうやら詳しい事まで聞いてはいない様だ。自分は一度彼から離れるとその両手を優しく握ってこう告げる

｢初めましてうちはシスイさん。あたしの名前は三栖A、木ノ葉創設に関わった立役者の一人にして……皆の言う｢A様｣その人です｣

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