灰色の化け物は他世界を歩む【バトスピ】

＿ちょっと頑張っちゃうかしら？(??side) ページ40

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ヨク対イヌイ将軍のバトルを
サンドラットの他に、一人の女も影から
コッソリと見ていた


丁度今日の"獲物"が居ないかとフラフラしていたら
まさか暗黒バトラーを見つけるなんて
運が良い









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女は濁った山吹色のくせっ毛のある髪を弄りつつ

腰に着けているポーチの中から
手持ちサイズの革質のカバーが着いてあるリストを出す



それをパラパラと捲り、イヌイ将軍の顔写真が
載っているのを見付けるとニヤリと笑った









｢『暗黒バトラー イヌイ将軍』…賞金額78000
78000で十二神皇カード持ち????
更に時間が経ったら値が上がるかしらねぇ?｣









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フフッ、と鼻で笑う

まさか十二神皇を持つ暗黒バトラーが
たった78000と言う金額で収まる訳が無い


そうなるとカードを手に入れたのは
最近だろうと考える

そうじゃなきゃ今頃2倍3倍はいってるのだから








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(今回は野放しにして金額が上がったら
狩っちゃうのが一番ね、でも＿＿

＿アタシ､小さい子をいじめる奴は嫌いなのよ)






そう思った時にはバトルが終了し
緑の勇者の絶望仕切った顔が女の視界に映る

大切なカードを取られ、
絶望の満ちたその表情







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｢……ちょっと、頑張っちゃうかしら?｣









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自分は正義の味方だなんて言える程
綺麗な存在じゃない



悪意の肥えた連中を捕まえ
捕まえた報酬として金を貰う"賞金首ハンター"だ

賞金首を倒し捕らえるなら如何なる方法を
使う狡猾な者









それでも、たまには正義の
ヒーローっぽい事をしてみようか









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｢ちょっと待ちなさいよ
其所の亥｣


イ｢？お前、誰
　俺、お前なんかに構うヒマない｣






イヌイの後を着け､緑の勇者とある程度離れると
女は声を掛けた

その言葉を鼻で笑い
更に言う







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｢アタシはミトラ・ブルンヴァルト
貴方達みたいな暗黒バトラーを狩る賞金首ハンターよ｣




この世界では暗黒バトラーやその他の
犯罪者に賞金が賭けられている

その賞金に食い付き
賞金首を狩るのを賞金首(バウンティ)ハンターと言う









イ｢俺、捕まえに来た!でも今の俺
　誰にも負けない!!｣


｢ハァ?経った78000しかない貴方には興味無いわ
アタシが欲しいのはその酉の十二神皇よ
ねぇ、バトルしましょ?｣



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