第二十四話 消滅 ページ24
『ええええええええええええええ！？」
「じゃあ、あたしがりっぱな魔導師になりたいと思う心も！？」
「僕が優秀な魔導師になりたいという心も！？」
「まだ言えないけど私の将来の夢が、」
『全部消えちゃうってこと！！？？？」
「夢が消えると、皆が未来という夢を見なくなる。つまり期待、欲望が全て無くなり、喜怒哀楽しか感じないつまらない世界になり、そしてつまらない世界に飽きた人々は、何か事件を起こそうと変なことをしでかして、世界が危険なことになることになるって先代の魔導師が言ってたんだ！！」
『ええええええええええええええええ！？」
「な…なんか異次元的展開ですね…」
「ハ、ハルルさんそんな所にいたんですね！大丈夫ですか？」
小走りで向こうからやってきたのは、アコール先生だった。どうやらここにハルルが居ることに気づいて、ここまで来たらしい。
「私は大丈夫だよ。アコールさん。それよりも大事なことがあるので、皆を集めて貰えませんか？」
「は…はい、わかりました」
タッタッタッ…
「あれ〜？りんごちゃんそんなところで何してるの？」
地面からぬうっとやってきた黒い影の正体は、手先がぼんやりとした頭がホイップクリームのような形をした時空の旅人エコロだった。
「あ、エコロ。聞きたいことがあるんです。キルルの封印を解いたのは誰なんですか？私ずっと気になってて…」
「あ、それ僕がやったんだよ？」
「エコロが！？」
「だって旅をしているときに、鎖に繋がれている女の子が居たから、とりあえず解いてあげたんだ〜僕って偉いでしょ？」
「偉くありません！！全く！誰なのか予想せずにすぐに解放しないでください！」
「う〜……ごめんなさい…」
「……エコロ。今回のことは許します。その代わりに、皆をここに集めて貰えませんか？」
「りんごちゃんの頼みなら、どんなことでもOKだよ！！」
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作者名：朱色 | 作成日時：2019年1月7日 11時
