[ぷよぷよ]夢と狂気の魔導師 (ページ19)

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第十九話　遺跡の主人ページ19

「やっと……終わった…」

「キルル…」

「キルル、ハルルさんは私達がなんとか止血しました」

「あとは安静にしてるだけだよ」

「そう、ありが…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ！！！

するとアルル達が今いる場所の真ん中から、石レンガが崩れ始め、そしてまるで巨人の落とし穴になりそうな穴が開いた。気になったアルル達は、とりあえず落ちない程度に穴に近寄る。

「なんだろうこれ」

「なんだか中から何かが出てきそうな穴ですね」

「りんご、それじゃあまるで何かが出てきそうな言い方だよ；」

りんごが言った通りに、穴の底から何か目のようなものが光ったのをサタンは見逃さなかった。

・

「「下がれ！！」」

急にサタンの遺跡の全体まで声が届きそうな「下がれ」が聞こえ、アルル達は驚きながらも穴から離れると、突然穴からピンクの人の腕のように太くて、粘液が付着している人間の腕くらいの触手が穴からぎゅうぎゅう詰めになって出てくる。そしてラフレシアのような赤黒い花がさっきまでの大きい穴が、栓のように塞ぐように大きく現れた。

「まさか…」

「この遺跡の主人がいたとはな」

「ほんとそうだよ。こんな花の化物が遺跡の主人なんて馬鹿けてる」

キルルは、外では強気な素振りを見せてたが、実はこの花の化物は本で見たことがある。
本当の名前は明らかにされてないが、人々はこの花の化物を「クロレシア」と呼ぶ。｛触手で獲物を絡め、本体の口に運ぶ｝と書かれており、しかも「見習い魔導師は逃げた方がいい」ということまで書かれていたのだ。
アルル達は、魔法を使うのは得意でも、所詮は見習い。逃げようとしてもクロレシアが道を塞いでいるため、どうやって戦うかを考えてると。