[ぷよぷよ]夢と狂気の魔導師 (ページ17)

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第十七話　キルルの考察ページ17

するとキルルは右手の指を鳴らすと、キルルがサタンと対立した時と同じような空間が現れた。どうやらこの空間は、少しの間なら魔法を防ぎ、空間の中に居る私達の声は、外に居る者には聞こえないということがわかった。

「あんたが体を張ってくれたおかげで、あのバリアの打開方がわかった。ありがと」

「いや…僕は別に…」

「で、何がわかったのだ？」

「まず、衝撃波というのは主に流体中を伝播する、圧力などの不連続な変化のことであり、圧力波の一種で、媒質中を超音速で移動する物体の周りに発生し、媒質中の音速よりも速い速度、すなわち超音速で伝播、急速に減衰して最終的には音波(ソニックブーム)になるということは音を発生させているってこと。つまり投げたナイフが弾いたということは、あのバリアは音波の中でも速い『音速』で出来ているということで、いわゆる速さで私達のナイフや魔法を掻き消したって訳」

『…………』

「……。つまり、衝撃波の正体は凄く速い音って覚えとけばいいよ」

「そうか、話を戻すが、打開方というのはなんなんだ？」

「あんた達、音速にも弱点があるって知ってた？」

「弱点だと？」

「え？」

「音速は速さ。つまり周りの音波に干渉しないということ。でもいくら速くても、押さえつければ『速い』は終わってしまう。まぁこれくらい話せばあんた達もわかるよね」

「つまり、」

『魔法は効かなくても、物理攻撃は効く！』

「まあそんな感じ。そこであんた達に協力してほしいことがあるのよ」