[ぷよぷよ]夢と狂気の魔導師 (ページ16)

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第十六話　決別ページ16

「う…嘘だ…私が…あんたなんかに創られたなんて！！！自分の子供の姉を簡単に殺すようなあんたに！！！」

「嘘も何も、本当のことだよ。ハルルは「妹が欲しい」と願った。だからハルルの両親は人を簡単に創ることが出来る僕に頼んで、君を創った。それだけのことだよ♪」

確かにキルルは、人から生まれた者では無い。人工的に創られた存在だが、こんな人の姉を軽々と殺す奴に産まされたなんて、キルルには考えられなかった。

「そして、

君の記憶をいじってサタンとハルルを殺そうとしたのも、僕だよ♪」

このときにはもうキルルは、自分がなぜサタンを殺そうとしたのかがわかった。確かに自分を想像した奴ならキルルが封印されている間にも記憶を改変することが出来る。なぜなら人を創るのも魔導の一つであり、創造主が創りあげた人間ならいくらでも記憶を消したり追記出来たりも出来るからだ。
だが、キルルはもう迷わない。今ここで奴を倒すと決めたから。

「りんご…アミティ…と言ってたよね。お姉ちゃんを、お願い。」

「うん！」

「は、はい！」

りんごとアミティが血を流しているハルルをなんとか持ち上げ、遺跡の隅に寄せたのを見届けると、キルルは空中を飛んでいる奴より高く、高く飛び上がると、

「よくもお姉ちゃんを…！！！

ワンダース・ナイヴズ！！」

するとキルルの右手左手から数十本のナイフが出てくると、両手ではこれ以上持てないナイフを補うかのように、空中に現れ、両手のナイフと合わせておよそ千本のナイフが投げ、奴の所へと向かう。

「おっと。産みの親に逆らう気かい？なら、

ムーン・オブザ・ブラッド」

すると奴は遺跡中に響くくらいに両手を合わせて手を叩くと、月のように丸い衝撃波のバリアがナイフを弾く。

「僕も協力するよ！ジュゲム！！」

爆発技のジュゲムでも奴のバリアの破壊を許さず、おまけにバリアは衝撃波で出来ていて、皮肉にもアルルはジュゲムを確実に当てに行った為、アルルは衝撃波によって吹き飛ばされる。が、サタンはアルルの落下地点を予測し、見事に「お姫様抱っこ」が成立した。

「アルル、大丈夫か？」

「うん…ていうかそんな誇った顔しないで早く僕を降ろしてよ！」

「ぐー！！ぐー！！」

「ていうかあんた達何して…ん？」

(さっきの見習い魔導師が撃った魔法でも、奴のバリアを破壊できなかった。もしや！)

「サタン、あとその黄色い生き物を連れている見習い魔導師。協力してほしいことがあるの」