寝不足な貴方に ページ33
栄養ドリンクを飲みながら、暗い部屋に一つの光りを照らして書類と向き合っている貴方。
夜遅くまで帰ってこなくて、帰ってきたときはすぐにベッドに行ってしまう貴方。
帰ってきたと思ったら、携帯電話を耳にあてながら受け答えして、私に何も言わないで家を出てしまう貴方。
そんな貴方は今日はいなかった。
「え?貴方?お仕事は……」
本屋のバイトから帰ってきた私は先に主人が帰ってきていることに思わず声を上げてしまった。
坂口「今日は早めに終わらせてきたんですよ。いつも貴女を……Aを放ってしまっていたものですから」
申し訳なさそうに顔を伏せポケットに手を入れると私の手に差し出した。
坂口「開けてみてください」
そう言われてそっと飾帯(リボン)を解いて真っ白い箱の蓋を開く。其処には蒼い石のピアスが鎮座していた。
「まぁ……」
坂口「帰りにたまたま通ったのですが、貴女に似合いそうだったので」
「ありがとうございます」
大事にしますね、と私は早速つけてみた。ピアスの穴は空いているのだけれど、私はいつも百円均一の安物パールピアスだった。
「ご飯、すぐ作りますね。何が食べたいですか?」
坂口「うどん」
「はい。わかりました」
私は微笑みながらちょちょっと安吾さんに近づいて、頬に唇が当たるあたらないぐらいのかるい接吻をした。安吾さんの顔を火が付いたように赤くなった。
「ふふ。可愛い」
坂口「も、もう、貴女って人は……!」
「済みません」
舌を出してキッきンに向かおうとしたら、ぎゅっと腕を掴まれた。振り向けば、目の下に隈をつくった安吾さんと目が合った。
坂口「食べ終わった後、いいですか」
「構いませんよ」
安吾さんはほっとしたように疲れきった顔を綻ばせた。私はキッチンへとむかう。その時に安吾さんの部屋を通るのですが、書類が大量に積み重なっていました。きっと、終わらせてきたものもあるのでしょうけれど、大体は持ち帰ってきたのでしょうね。
うどんはおいしくできました。
END
物部さん、ありがとうございました。→←46ねこ☆KING★さん、ありがとうございました。
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氷月 - あんこさん、お返事遅くなってしまってごめんなさい!ちょっとパソコンを直しておりました。面白いといってくださって感謝感激です(泣)安吾さんとのハッピーエンドですね!了解しました (2017年9月22日 17時) (レス) id: d02a9d7f01 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - はじめまして、あんこといいます('-'。)もしよかったら、リクエストしたいのですが、安吾さんと夢主ちゃんのハッピーエンドのお話をお願いします('ー ' *)ちらっといろいろなお話も読ませてもらったのですが、面白かったです(*^-^*) (2017年8月19日 8時) (レス) id: 6f6d03f938 (このIDを非表示/違反報告)
氷月 - 嬉しいです!こちらこそですー! (2017年6月26日 0時) (レス) id: d02a9d7f01 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 書いて下さり、ありがとうございます。やられっぱなしでは無い夢主ちゃんがいいですね! (2017年6月20日 21時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
氷月 - わかりました!了解です! (2017年6月17日 12時) (レス) id: d02a9d7f01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:妃村塩李 | 作成日時:2016年5月10日 18時