使用人過去編10 ページ18
「――え?」
目元に皺の刻まれた双眸が、途端に見開かれる。
「……っ」
次の瞬間、隣にいた旦那様はのえるが食べていたケーキを奪い取り皿を投げ、絶叫した。
「ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「だ、旦那さま!?」
突然の叫び声に、その場の誰もが驚く。しかし傍にいた友人たちは、床に投げつけられたケーキの残骸を見遣って同じように悲鳴を上げた。
「きゃーーーっ!?」
「なによこれ!? なんでこんな、こんなものが!!」
「皆さまどうされたのですか! お、落ち着いてください!!」
テーブルの傍に駆け寄りながら、友人らをなだめるために叫ぶ。
しかし、ケーキの中身が視界にその入った瞬間。
「ひっ……」
レオの背に、ぶわっと鳥肌が立った。
(なんで……!?)
ゴキブリの死骸だ。
スポンジとクリームにまみれ、ぐちゃぐちゃになったゴキブリの死骸。
それが、のえるの食べていたケーキの中から、上半身を覗かせて
「どういうことだ!レオ!!」
「こ、これは……」
真っ青な顔になりながら旦那様が喚く。
次第に泣き出すのえる様
「うっ、うぅぅ酷いよ!!! 僕の これを、食べ……うっ、げ……」
「のえる様! ……!」
口元を押さえたのえる様が、耐えきれずに嘔吐する。テーブルは吐瀉物にまみれ、友人たちが一斉に後ずさった。
(なんで!? どうしてこんなものがケーキの中に!! まさか、リゼル、あの子……!?)
「っ、ぐ、レオ!!」
「!!」
髪をふり乱した旦那さまに、レオの襟ぐりが掴まれた。
「どういうつもりだ!?私の子になんてことを!」
「だ、だんな様落ち着いてください」
「誰のせいだと思っている!貴様、先日のことで僕を恨んでいるのだな!!それで、こんなことを……!!」
自分が疑われている。それに気が付き、レオは蒼白になった。
「滅相もございません旦那さま!! このようなことを、私がするはずないじゃないですか!!」
「だったら他の誰がこんなことを出来たという!?貴様がたったひとりで用意したケーキを!! 死んだゴキブリなんか、知らないうちに入っているはずがないだろ!」
再びのえるが顔を歪め吐き出した。
更に遠のく友人達の中で羚は独りのえるの背中をさすっている
レオを睨みながら
4人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» お待たせしました!いやぁ……随分待たせちゃいました…すみません(泣) (2017年11月24日 16時) (レス) id: c9a8051ede (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - 待ってましたっ! (2017年11月24日 0時) (レス) id: febba97d8d (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*@キチ同盟さん» 楽しみに待っていてくれて嬉しいです!更新頑張ります(*`・ω・)ゞ (2017年8月27日 9時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*@キチ同盟(プロフ) - 2、楽しみにしてました!風邪に気をつけて更新頑張ってくださいw (2017年8月25日 16時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» 風邪…なんとか大丈夫ですよwなんとかw更新ボチボチしますぅぇぇぇぇw (2017年8月25日 8時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢喰いオバケ | 作成日時:2017年8月23日 15時