使用人過去編11 ページ19
「 のえる君ったら、死んだゴキブリを食べたの……!?」
「あんなものが入っていたケーキを食べてしまったんだわ……!」
「あんな執事を雇っているなんて、西園寺家はどうなっているのかしら!」
「……っ」
旦那様がわなわなと震える。レオを強く睨み付けた。
「この……っ」
「旦那様違……」
「黙れ恩知らずがあっ!!」
旦那様はおもむろに手を伸ばすと、椅子を掴み上
げ、レオ向けて振り下ろした。
「!!」
頭部に鈍い衝撃が走る。レオが吐瀉物に濡れた床に倒れ込んだあと、旦那様はもう一度椅子を振りかぶった。
「お前は!私の子に!私の宝に!許さん!許さんぞ!」
「お、おやめください! 旦那さま、痛い! 痛……っ」
何度も椅子で殴りつけられ、ぽたぽたと顎から血が伝う。レオは必死に起き上がると、必死に逃げ出した。
「レオ!!」
血の流れる額を手で押さえ、レオは走る。動揺と旦那様に殴られた恐怖に混乱しながら、一目散に門をを目指した。
(リゼルがやったんだ!! 俺を陥れるために、こんな真似を……! 許さない、許さない許さない許さない!! いますぐ旦那さまに突き出して、潔白を証明してやる!!)
門の前に黒い影 レオは思いっきり怒鳴りつけた
「リゼル!!」
「!!」
門の前にいたリゼルに掴みかかった 両手に持っていたミルクパックを落とすがそんなこと気にしない
「お前が!! お前がケーキの中に、ゴキブリの死体なんか入れて焼いたんだな!?」
「すぐに白状しなさい!! 旦那さまに話すんだ!」
「え?いや、ミルク」
落としたミルクを掴みあげる
「こんなところ誰かに見付かったら大変だろほら早く……」
その直後。
「……レオ…?」
「!?」
後ろから美しい声が名前を読んだ。
弾かれたように振り返る。そして、そこに立っていた少年の姿を見て、レオは絶望した。
「……のえる、さま……!」
のえるが、こちらを見ている。
背後に男の使用人をふたり連れて、呆然と、門の前で立ち尽くしていた。……牛乳パックを片手に持っているリゼルに詰め寄った、レオの姿を凝視しながら。
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夢喰いオバケ(プロフ) - 紫稲さん» お待たせしました!いやぁ……随分待たせちゃいました…すみません(泣) (2017年11月24日 16時) (レス) id: c9a8051ede (このIDを非表示/違反報告)
紫稲(プロフ) - 待ってましたっ! (2017年11月24日 0時) (レス) id: febba97d8d (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - *はなまる*@キチ同盟さん» 楽しみに待っていてくれて嬉しいです!更新頑張ります(*`・ω・)ゞ (2017年8月27日 9時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
*はなまる*@キチ同盟(プロフ) - 2、楽しみにしてました!風邪に気をつけて更新頑張ってくださいw (2017年8月25日 16時) (レス) id: 99309147cc (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いオバケ(プロフ) - 黒月さん» 風邪…なんとか大丈夫ですよwなんとかw更新ボチボチしますぅぇぇぇぇw (2017年8月25日 8時) (レス) id: 89b27ea165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢喰いオバケ | 作成日時:2017年8月23日 15時