３３．気遣い ページ34
コンコン
部屋の扉を叩く音で、Aは我に返った。
貴方「どうぞ」
リコと桃井がくっついたままで身動きがとれないAは、横になったままの姿勢で応えた。
Aの声を聞いて部屋に入って来たのは、伊月だった。
伊月「おはよう。って、あれ？カントクと桃井、まだ寝てるのか？」
ベッドの近くまで来た伊月は、Aにぴったりとくっついたまま寝息を立てている２人を見て苦笑した。
貴方「起きたらこの状態だったので…。どうしてこうなったんですか？」
伊月は優しく目を細めた。
伊月「Aちゃん、昨日の夜、泣き疲れて寝ちゃっただろ？その後、この２人が、どうしてもAちゃんと一緒に寝るって聞かなくてさ。だから、この状況」
身動きがとれないAを手伝って、リコと桃井をAから離しながら、伊月はクスクス笑った。
貴方「そうなんですか…」
やっと身体を起こしたAは、ベッドからは降りずに、未だに眠っているリコと桃井の間で、２人を見つめた。
伊月「…嫌だったか？」
何も言わなくなったAを心配そうな表情で、伊月は覗き込んだ。
それに対して、Aはふるふると首を振った。
貴方「逆です。あんなに重い話をしたのに、避けるどころか、こうやって一緒に居てくれるなんて…言葉では表せないほど、嬉しいんです」
顔を上げたAは、その透き通るような大きな蒼い瞳に涙を浮かべて、綺麗に微笑んでいた。
伊月「(っ、可愛い！)///そっか。それなら良かった」
伊月は一瞬、Aの笑顔に見惚れたが、すぐにいつものイケメンスマイルを浮かべた。
伊月「辛かったら、いつでも頼っていいんだぞ？カントクや桃井でもいいし、もちろん、俺達だっていい。だからさ、独りで抱えるなよ？」
そう言って伸ばされた手は、Aの頭を優しく撫でた。
さらさらと艶やかに光る絹糸のような黒髪は、伊月の白くて細い指に絡まることなく、されるがままになっていた。
いつも冷静沈着で、たまにおかしなギャグを言ったりもするが、やはり、流石はＰＧ。
まわりに対する気遣いがうまい。
貴方「…ありがとうございます」
今までは、たまに高尾に相談するくらいだった。
けど、今は＿＿＿。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙夜(プロフ) - あすあすさん» 返信遅れてごめんなさい。応援ありがとうございます！主人公書いていただけるんですか??とっても嬉しいです(*´ー｀*) (2015年8月16日 19時) (
レス) id: 89126b3f93 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - はるはさん» 返信遅れてごめんなさい。応援ありがとうございます！名前、沙夜に変えました！ (2015年8月16日 19時) (レス) id: 89126b3f93 (このIDを非表示/違反報告)
あすあす(プロフ) - 初めましてあすあすです。とっても面白いです！これからも頑張ってください（＾∇＾）もし良かったらですけど…主人公描いてみてもいいですか?ダメだったらいいですけど (2014年4月18日 20時) (レス) id: d24780b6ce (このIDを非表示/違反報告)
はるは(プロフ) - おもしろいです。更新頑張ってください (2014年3月2日 21時) (レス) id: d7e914d800 (このIDを非表示/違反報告)
ようこちゃん(プロフ) - お礼をいうのは私です。楽しみです。 (2014年1月1日 15時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙夜 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annzuamenoheya/
作成日時：2013年4月15日 23時
