16.少しでも ページ17
Aがボール籠を引っ張り出そうとしていると、高尾が慌てたようにAに駆け寄った。
高尾「ちょ、Aちゃん!何やってんの!?1人で重いもの持っちゃダメっしょ!」
ボール籠を持っていた手を止められ、Aは苦笑しながら高尾に振り返った。
貴方「大丈夫だよ?いつもやってるし…」
高尾「いつも!?Aちゃん、いつもこんな重いもの1人で持ってんの!?」
目を見開く高尾にAが頷くと、高尾は大きな溜め息を吐いた。
そして、その場に力なく座り込む。
俯きながら前髪をくしゃっと掴み、そのままぐしゃぐしゃと髪を乱した。
高尾「…頼むから、もっと大人しくしててくれよ。もっと、自分を大切にしてくれよ…。現状維持なんだろ?」
泣きそうな顔で見上げられて、Aは困ったような顔をした。
少し考えてから、高尾の前にしゃがみこんで、視線が同じくらいになるようにした。
貴方「現状維持とは言ったけど…全然平気だよ?あの時とは違って、誠凛のみんなは優しいから」
ね?と微笑むAに、高尾は何も言えなくなる。
貴方「心配してくれてありがとう。でも、私は大丈夫。みんなが優しいから、すごく楽しい。だから、楽しい時間をくれるみんなに、少しでも気持ちよくバスケしてもらいたいんだ」
高尾は、Aが嬉しそうに笑っているのを見て、フッと笑った。
そして立ち上がり、Aに手を差し出す。
高尾「しょーがないなー。じゃあ、約束!1人で頑張らないで、ちゃんと俺を頼ること!」
にかっと笑う高尾の手を取って、Aは笑った。
貴方「はい!わかりました!」
Aの返事を聞き、高尾は満足そうに頷いて、Aを引き上げた。
高尾に立たせてもらったAは、もう一度ボール籠に手を置く。
貴方「高尾君。手伝ってもらってもいい?」
高尾「もちろん!」
高尾とAは、2人で全ての準備を終わらせた。
入り口で隠れて見ていたこ5人は、顔を見合わせた。
火神「現状維持…?」
青峰「なんのことだ?」
緑間「俺にもわからないのだよ」
黄瀬「自分を大切に…とも言ってたっス!」
黒子「どこか悪いんでしょうか?」
考えてみても、わからない。
5人がどうしたものかと悩んでいると、他の選手たちがやってきたので、とりあえず考えるのはやめて、他の選手に便乗して体育館に入った。
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沙夜(プロフ) - あすあすさん» 返信遅れてごめんなさい。応援ありがとうございます!主人公書いていただけるんですか??とっても嬉しいです(*´ー`*) (2015年8月16日 19時) (レス) id: 89126b3f93 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - はるはさん» 返信遅れてごめんなさい。応援ありがとうございます!名前、沙夜に変えました! (2015年8月16日 19時) (レス) id: 89126b3f93 (このIDを非表示/違反報告)
あすあす(プロフ) - 初めましてあすあすです。とっても面白いです!これからも頑張ってください(^∇^)もし良かったらですけど…主人公描いてみてもいいですか?ダメだったらいいですけど (2014年4月18日 20時) (レス) id: d24780b6ce (このIDを非表示/違反報告)
はるは(プロフ) - おもしろいです。更新頑張ってください (2014年3月2日 21時) (レス) id: d7e914d800 (このIDを非表示/違反報告)
ようこちゃん(プロフ) - お礼をいうのは私です。楽しみです。 (2014年1月1日 15時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annzuamenoheya/
作成日時:2013年4月15日 23時