検索窓
今日:21 hit、昨日:8 hit、合計:327,504 hit

16.少しでも ページ17

Aがボール籠を引っ張り出そうとしていると、高尾が慌てたようにAに駆け寄った。

高尾「ちょ、Aちゃん!何やってんの!?1人で重いもの持っちゃダメっしょ!」

 ボール籠を持っていた手を止められ、Aは苦笑しながら高尾に振り返った。

貴方「大丈夫だよ?いつもやってるし…」

高尾「いつも!?Aちゃん、いつもこんな重いもの1人で持ってんの!?」

 目を見開く高尾にAが頷くと、高尾は大きな溜め息を吐いた。

 そして、その場に力なく座り込む。

 俯きながら前髪をくしゃっと掴み、そのままぐしゃぐしゃと髪を乱した。

高尾「…頼むから、もっと大人しくしててくれよ。もっと、自分を大切にしてくれよ…。現状維持なんだろ?」

 泣きそうな顔で見上げられて、Aは困ったような顔をした。

 少し考えてから、高尾の前にしゃがみこんで、視線が同じくらいになるようにした。

貴方「現状維持とは言ったけど…全然平気だよ?あの時とは違って、誠凛のみんなは優しいから」

 ね?と微笑むAに、高尾は何も言えなくなる。

貴方「心配してくれてありがとう。でも、私は大丈夫。みんなが優しいから、すごく楽しい。だから、楽しい時間をくれるみんなに、少しでも気持ちよくバスケしてもらいたいんだ」

 高尾は、Aが嬉しそうに笑っているのを見て、フッと笑った。

 そして立ち上がり、Aに手を差し出す。

高尾「しょーがないなー。じゃあ、約束!1人で頑張らないで、ちゃんと俺を頼ること!」

 にかっと笑う高尾の手を取って、Aは笑った。

貴方「はい!わかりました!」

 Aの返事を聞き、高尾は満足そうに頷いて、Aを引き上げた。

 高尾に立たせてもらったAは、もう一度ボール籠に手を置く。

貴方「高尾君。手伝ってもらってもいい?」

高尾「もちろん!」

 高尾とAは、2人で全ての準備を終わらせた。









 入り口で隠れて見ていたこ5人は、顔を見合わせた。

火神「現状維持…?」

青峰「なんのことだ?」

緑間「俺にもわからないのだよ」

黄瀬「自分を大切に…とも言ってたっス!」

黒子「どこか悪いんでしょうか?」

 考えてみても、わからない。

 5人がどうしたものかと悩んでいると、他の選手たちがやってきたので、とりあえず考えるのはやめて、他の選手に便乗して体育館に入った。

17.練習後 その1→←15.掃除



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (378 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
483人がお気に入り
設定タグ:黒子のバスケ , 薄桜鬼
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙夜(プロフ) - あすあすさん» 返信遅れてごめんなさい。応援ありがとうございます!主人公書いていただけるんですか??とっても嬉しいです(*´ー`*) (2015年8月16日 19時) (レス) id: 89126b3f93 (このIDを非表示/違反報告)
沙夜(プロフ) - はるはさん» 返信遅れてごめんなさい。応援ありがとうございます!名前、沙夜に変えました! (2015年8月16日 19時) (レス) id: 89126b3f93 (このIDを非表示/違反報告)
あすあす(プロフ) - 初めましてあすあすです。とっても面白いです!これからも頑張ってください(^∇^)もし良かったらですけど…主人公描いてみてもいいですか?ダメだったらいいですけど (2014年4月18日 20時) (レス) id: d24780b6ce (このIDを非表示/違反報告)
はるは(プロフ) - おもしろいです。更新頑張ってください (2014年3月2日 21時) (レス) id: d7e914d800 (このIDを非表示/違反報告)
ようこちゃん(プロフ) - お礼をいうのは私です。楽しみです。 (2014年1月1日 15時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙夜 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/annzuamenoheya/  
作成日時:2013年4月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。