24匹砕ける。【消滅:黄】 ページ24
…ショッピくんが、エミさんのことを忘れた。
そんな報告が来て、彼がグループLINEから退会する直前に発した
『俺の部屋に多分エーミールって人に関連してるメモあったんですけど…どうすればいいですか。』
って言葉にすぐ
『絶対に捨てるな、すぐ出せるとこに入れとけ。』
と返した。
このアドバイスがあってるかはわからんけど、俺はそうした方がええなって思ったから迷いなく。
それに次いで他の覚えてるメンバーからの賛同が相次いだから多分間違ってはない。
…今覚えてるのは、
俺、グルッペン、ゾム、大先生、シッマのたったの5人。
「…5人かぁ……」
傍に散らばったエミさんについての数枚のメモを寄せ集め、1枚1枚確認していく。
…見返すとほぼほぼ悪口のような気もする。
生放送で言ったこともあるはずのエミさんの評価を初めに、動画上のエミさんの設定とか過去話とか。
視聴者の知るはずのない、俺らだけの思い出とか。
沢山書いた、こんなにあったんやな、って感慨に耽りながら、沢山、沢山、覚えてるだけ、全部。
…ああこんなにも知ってることがあったのに、彼をこんな行動に移させてしまうほど、彼への批判が集まってたこと、それを彼が知って受け止めてしまっていたことは知らなかった。
でも、そもそも。
「一緒にプレイしてる俺ら以外にエミさん好き勝手言える権利ないと思うんやけど」
「…それがあるんですよシャオロンさん」
後ろから響いた望んでいた声にすぐに振り向いた。
それと同時に、自宅が段々と別の世界へと変わっていく。
座っていたソファーはなくなり、ダイヤが敷き詰められた入口らしき所に変わった。
…見上げるとそこには荘厳な、城が。
手にはスレイヤーだけが持てるクロスボウに治療薬(ポーション)。
あーなるほどな、パンデミックやこれ。
そして、エミさんは。
いつも目にする姿で変に綺麗に笑ってた。
…1歩歩み寄る、と、彼は2歩下がった。
「…触れたらダメですよ、私感染者になってますから」
「治療薬持っとるからええやろ」
「それでも、ダメです」
「あっそ。エミさんますますつまらんくなったなぁ」
へら、と笑ってやる。
それにつられたのかは知らんけど、いつも通りのくしゃりとした綺麗とは程遠い笑みを見せた。
「つまらなさでは最初っから底辺おったと思うけど
まだ下がるんや」
「そういうことじゃないんだよなぁ…」
クロスボウを握る手に力を込めた。
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慧羽 - この話ヤバい…めちゃくちゃ泣きました。今ちょうど、好きなユーチューバーがアンチのせいで辞めてしまって、ちょうどアンチにとても怒ってたので、本当に泣きました…。神すぎる作品を作って頂き、ありがとうございます!! (2022年8月11日 20時) (
レス) @page50 id: 55059b1f92 (このIDを非表示/違反報告)
森の民(プロフ) - 半分ファンタジーで、半分は現実でも起こることなんだなぁ。一気に読みました。神小説ありがとうございます。 (2022年8月10日 22時) (レス) @page45 id: 6c1a629d1f (このIDを非表示/違反報告)
ふかふかおふとん??(プロフ) - 神ですね涙がとまらない (2022年8月10日 20時) (レス) id: 1455eebfad (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ双子(プロフ) - 何この作品⋯!!神すぎる⋯泣きました。涙腺崩壊です⋯。本当アンチとか群れないとなんにもできないくせにいらないですよね⋯。本当この作品神すぎます。好きです (2022年8月10日 15時) (レス) @page14 id: b167e19be9 (このIDを非表示/違反報告)
天天(プロフ) - 泣いた。今もスレとかあるからマジでスレ消したい。アンチとかなんであるんだろなぁ… 自分が叩かれてたらって思ったらゾッとするはずなのに。個性じゃん。この作品マジで神ですね。好きです（唐突） (2022年8月10日 14時) (レス) id: bc837922a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マンゴスチン | 作成日時：2022年8月8日 7時
