第8話 ページ8
Aと出会ってから早数週間。
あれから出会う機会がない。
そもそも一年のあいつと三年の俺がかかわりを持つ方がおかしくて。
この方が当然なんだと思いながらもAのことが頭から離れなかった。
「あれ、ギターが弾けるようになるまで聞いたからな・・・」
俺が一番気に入った曲はギターで弾ける。
ちなみに歌詞も完璧に頭の中に入っている。
だから彼女のことが頭から離れないのかもしれない。
あの才能に俺は魅せられたのだ。
―――・・・
「わりぃ、先生に呼ばれてたんだ。先帰っててくれ」
部活後、
小堀と森山に断りを入れてから俺は職員室へと向かう。
担任に呼ばれていた。
今日は早く帰れる日なのについてねぇ。
それにしても何で呼ばれたんだ?
俺は悪いことなんてした覚えなんてないし、成績もそこそこ。
赤点なんて取っていない。
部活後でいいと言われていたから忘れかけていた。
遅いか?と思いながら俺は軽く廊下を走っていた。
『〜〜♪』
ん?この声・・・
どこからか微かに誰かが歌う声が聞こえた。
聞いたことのある歌声で。
俺は足を止め、耳をすませる。
『この〜メロディーに〜の〜せ〜て〜♪』
やっぱり聞いたことのある声だ。
A。
俺は確信した。
「新曲、か?」
全ての動画を聞いたはず。
その俺が聞いた事のない曲なのだ。
だからその結論にたどり着いた。
俺はゆっくりと声のする方へと足を運んだ。
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作者名:ユーリ | 作成日時:2014年10月16日 14時