第44話 ページ44
Aから話を聞いて、
あいつが人に対して怯えている理由が分かった。
―捨てられる恐怖を持ったことのある子供は
人に縋り、自分がぼろぼろになっても誰かの傍にいようとする―
昔、そのような事が書かれた本を読んだことがあった事を思い出す。
Aを助けるために俺に何ができるってんだよ・・・
これは悪いが家の問題だと思う。
俺の口出しすべきことじゃないと思う。
でも助けてやりてぇな。。。
数日後
どうすればいいのかも分からずに。
とりあえずAの家の前まで来た。
「ここに来るしか方法がねぇしな。
直談判する他に何も思いつかねぇし」
Aが隣にいて、不安気な表情を浮かべている。
大丈夫だ、という意味を込めて頭を撫でてやり
手を力強く握ってやる。
「いいか?押すぞ?」
”分かりました・・・”
ゴクリと唾を飲む音が聞こえたのはどこからだったか。
「はーい、どちら様?」
「お、俺、笠松といいます。
Aさんとお話があって。
少しお時間よろしいでしょうか?」
「分かりました。少々お待ちください」
どうやら母と姉がタイミング良くいたようだ。
少し待ち、ドアが開くと綺麗な人たちが顔を出す。
「・・・どうぞ中へお入りください」
ニコッとAと似たような笑顔を浮かべ俺達を中へ導いた。
「紅茶でよろしかったですか?」
「あ、はい。お構いなく」
オシャレな感じのティーカップに注がれた紅茶。
それに口を付けることなく俺は本題へと移った。
もう一度Aの手をぎゅっと握って。
「本日、こちらへ出向いたのは―――・・・」
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作者名:ユーリ | 作成日時:2014年10月16日 14時