Dependent ＆ Madlove ３ (ページ35)

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番外編＊山崎と猫＊ページ35

山「おい…手繋いだまんま…」

早く暗い空気から抜け出して繋いでいたかった気持ちを押し殺して言う

片手に持っていた物をゆるりと取って近くの棚に置く

後ろの鍵が静かに閉まる

そんなに変わらない身長は少し近づくだけで唇が触れ合う

『もう、疲れた…』

あまり聞かない弱音が吐き出された

もっと聞きたい、頼ってほしいと思ってしまう

鳴り響く着信がそれを邪魔して繋いだ手さえ簡単に離れていった

『……真か。何？…うん…急いで帰るから待ってて。…いいよ。一緒に寝ようか

　先に寝ててもいいけど。……ん、また後で』

いつも通り微笑み電話を切った

溜息をつくと猫が膝に乗って顔をぐりぐりと押し付ける

『くすぐったい…』

不意に零れた普段は見せない幼い笑顔

…そういうことか…朔さんがしてえことが分かった

山「A、俺その猫飼いてぇんだけど駄目か？」

『…好きにすればいいよ』

そう言いながらも少し嬉しそうに抱き上げた

『我が家の猫としてよろしくな』

にゃー、と元気な1つ返事

朔さんはきっと疲れてるAに癒しを与えたかったんだ

自分では何もできないから。代わりに何かを…

そこで選んだのが猫っつーわけか