60.予感的中 ページ10
・
こうもタイミングが合わず、
ここまで時間を食わせられるとは思わなかった。
全く想定外。1人で残して来た彼女の事も気になる。
ポケットに入った携帯が鳴ることはなく、
心配する必要はないのだが逆に気になるもの。
喪中なのだとしても仕方ない。
彼には悪いが、急がなければ。
伏黒が携帯を取り出して呪物の画像を見せると
虎杖はそれを拾ったと話した。
けれど、理由くらいは話せと頑なに言う虎杖に、
伏黒は簡単に"呪い"についての事から説明をする。
"魔除け"の呪物、それが虎杖の拾ったものだと。
魔除け、聞こえは良いが危険なもの。
長い年月が経っている中 今や危険なもの。
「人死が出ないうちに渡せ」
「いやだから俺は別にいいんだって。先輩に言えよ」
先輩達が気に入っているから、と
虎杖はポケットから何かを取り出すとそれを伏黒に投げる。それは、本来 呪物が入っている"はず"の小さい木箱。…その箱は、空っぽだった。
「(俺が追ってきたのは
箱にこびりついた呪力の残穢……!!)」
ほんの少し呪物の気配があった学校。それは恐らく、他の呪霊によってかき消されてしまっていたのか。そしてAは学校に残って……ということは、まさか_____
「中身は!?」
「だァから!先輩が持ってるって!!」
勢いよく伏黒は虎杖の胸ぐらを掴んで問い詰める。
…気付くべきだった、Aの様子に。
式神の彼女が学校に残る選択をしたのは
恐らく万が一を考えての事。
でも、人間である自分よりは
何かをきっと感じていたはず。
考えたくはないが、恐らく呪物の場所は今……
「……そういや今日の夜、
学校でアレのお札剥がすって言ってたな」
スッと伏黒の背筋は冷たくなっていく。
嫌な予感、的中だ。
「え……もしかして、ヤバイ?」
「ヤバイなんてもんじゃない。ソイツ、死ぬぞ」
同時に伏黒の頭には
1人残して来たAの姿が浮かんでいた。
持っていた携帯を操作し電話をかけるも出ない、
不在着信も入っていない。
「病院で堂々と電話すんなよ…」
「(何で出ねえんだよ…っ)」
意味のない電話を切ると、
目の前の虎杖を真剣に見る伏黒。
虎杖の頭に先程の"死ぬ"という言葉が再び甦る。
どういう事なのか、再び聞こうとする前に
伏黒は詰め寄り、虎杖の腕を掴んだ。
「行くぞ。オマエの学校に。近道教えろ」
「………分かった」
221人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時