81.遺言 ページ31
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燃え、姿を変えてしまった祖父。
灰と混ざったその骨を箸で骨壺へ
ゆっくりと虎杖は手を動かす。
その部屋の片隅にはもう1人、五条の姿があった。
彼がここにいる理由は分かる。"答え"を聞く為なのだ。
昨夜あんな事があって、目が覚めたら
よく分からないお札まみれの部屋に拘束されていて…
アイマスクをつける五条という名の男に
説明された内容は、秘匿死刑が決まったというもの。
ただそれも 条件付きであり…
今すぐ死ぬか、
どちらも死ぬ選択肢に変わりはない。
どうして自分が死ななきゃいけないのかとさえ思う。
_____けれど、決めた。
「あの指、まだある?」
骨壺の蓋を閉めてから、
虎杖は顔を上げると五条を見た。
五条は自分が所持していた指を虎杖へと渡す。
五条の方に歩き、指を受け取ると
改めてその気味の悪い見た目に吐き気を覚える。
そしてそれを、覚悟を決めて口へ放った。
ゴクリ。
飲み込んだ瞬間、虎杖の体には黒い模様が浮き上がる。
少しだけ警戒し、五条は顔を崩さずに
手にだけ力を入れた。
いつ彼が…宿儺が暴れても対処出来るようにと。
「クッ、ククッ…」
虎杖は少しふらつきながら苦しそうに首元を押さえ、
笑い声を漏らす。
宿儺へと変わってしまったのかと思いかけてしまいそう
…だが、
「おえっ、まっず…笑えてくるわ」
その表情と言葉は虎杖そのもので
五条は笑い、確信した。
彼は肉体の耐性だけじゃなく、宿儺相手に
自我を保てると。1000年生まれてこなかった逸材。
「「覚悟はできた」って事でいいのかな?」
「……全然。なんで俺が死刑なんだって思ってるよ。
でも呪いは放っとけねえ」
頭の中で蘇る祖父の顔。そして言葉。
_____"オマエは大勢に囲まれて死ね"
それは面倒な遺言。
「宿儺は全部喰ってやる。後は知らん。
「いいね!君みたいなのは嫌いじゃない。
楽しい地獄になりそうだ。
今日中に荷物まとめておいで」
「?どっか行くの?」
何の話なのかと虎杖が首を傾げた時、五条は
何かに気付いていたかのように部屋の扉を開けた。
するとそこには見覚えのある2人が立っていた。
話を聞いていたかのように、
その内の1人が虎杖へその答えを口にした。
「東京」
「伏黒!元気そうじゃん!」
「
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時