76.待機 ページ26
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擦れるたびに痛む傷。声を上げても
手当てしている手は止まらず、伏黒はただただ
Aの手元を見ていた。
かなり慣れている風に伺える手当ては
しばらくするとあっという間に終わった。
「オイ、次はお前の番だろ」
「え？私は大丈夫だよ。1人で出来る」
「そう言った俺の傷を強引にいじったのは誰だ？」
「……君とは違って、私は服の下にも
出来てる傷があるかもしれないよ？
服を脱がせてまで、君は私の手当てでもしたいの？」
眉を寄せて話すAの言葉に
伏黒は何も言えなくなった。
終いには、笑った彼女に"なんてね、大丈夫"と言われ、
騙されたと今度は伏黒が眉を寄せる。
「大した傷じゃないし、
自分の部屋に戻ったら後で手当てでもするよ」
「…オマエな…」
「それよりも！」
聞きたいことがあった、とAは
伏黒へ顔を詰め寄らせた。
少しだけ、顔がムクれているA。
「あの場にあの子を連れてきたのって、恵？」
「……学校まで最短で行ける道を案内してもらった。
外で待ってろっつったし、
勝手に入ってきたのはアイツだ」
「…まあ、そうだよね。恵が連れてくるわけないよね」
自分の身を顧みないあの行動。
何となく理解は出来てしまう。
結果的に、自分がそれに助けられたように、
今回もまた助けられてしまったとAは痛感した。
「お前こそ、虎杖の奴と知り合いだったんだな」
「…知り合いじゃないよ。恵も見てたでしょ？
私の事は全く知らない様子だった……
あの子が知ってたのは、"猫"だけだよ」
確かに、白猫に対しては知っている風に話してはいたが
人の姿のAに対しては誰と言っていた気がする。
先程の光景を思い出す伏黒。そして、
頭の片隅に出会いが気になる事も確かだった。
そんな考えを読むかのようにAは続けて口を開く。
「……高専に入る前、ね…
五条先生が私の所に押しかけて来たの」
突然と視線を下に落とし、
ポツリと話し出したAの言葉に伏黒は耳を傾ける。
絶対に、前の彼女ならば話そうとしなかった事を、今
目の前の彼女が話している事に驚きつつ、
五条の押しかけについては納得がいってしまった。
「呪いを祓ってる所を見られた上に、
呪術師が来たって事に、何も考えずに逃げ出してさ…
猫の姿のまま走った」
高専に入る前から呪いを祓っていた、
術師から隠れて暮らしていた_____
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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます！嬉しすぎました！これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (
レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ！修正ありがとうございます！とっても好きなのでこれからも頑張ってください！ (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結祈華
| 作成日時：2022年12月31日 20時
