【呪術廻戦】マガイモノの呪術師

73.五条と宿儺 ページ23

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顔を離した五条は笑みを浮かべたまま虎杖へ話しかける









「体に異常は？」




「特に…」




「宿儺と代われる？」




「スクナ？」




「君が喰った呪いだよ」




「あぁ、うん。多分できるけど」









何を聞いているのか、そう思って聞いていると
段々と五条が今からやろうとしている事が分かる。
その考えが正しいかと言うように五条は
膝に手をつくと体を捻ったりと体をほぐしていた。









「じゃあ10秒だ。10秒経ったら戻っておいで」









五条はこれから、
虎杖の中にいる宿儺と戦おうとしているのか。









「でも…」




「大丈夫。僕、最強だから」









不安そうな虎杖に頼もしい言葉と
ニッと笑みを浮かべている五条。

目の前で虎杖が目を閉じて代わろうとしている中、
五条は左手に持っていた紙袋をヒョイッと伏黒へ投げた









「恵、これ持ってて。後Aは念の為、恵の側にいて」




「これは？」




「喜久水庵"喜久福"。仙台名物、超うまい。
僕のオススメは ずんだ生クリーム味！」









紙袋の中身は仙台で有名な大福らしい。
それを聞いてガッカリというか…残念だが
相手が五条だからとこんな事にも納得も出来てしまう。
五条の指示で伏黒に近づいたAも、
彼が少し開いた紙袋を覗き込む。









「この人土産買ってから来やがった。
人が死にかけてる時に」




「先生らしいっちゃらしいね。嫌な程に、
何も驚かないよ。通り越して、呆れるくらい…」




「何言ってるの？君達。
それは土産じゃない。僕が帰りの新幹線で食べるんだ」









だったら尚更呆れてしまう。


そんな言葉が口に出る事はなかった。

宿儺へと変わった虎杖…
いや宿儺が跳んで五条へと迫っていた。









「「後ろ！」」




「喜久福は他のお土産とは一味_____」









同時に叫ぶ伏黒とA。
けれど、気付いていたかのように特に焦る事もなく、
五条は両手を合わせると一瞬にして消えた。

伏黒とAが一瞬目を閉じて開けたその時、
目の前に宿儺の顔がドアップで映る。
そんな着地した宿儺の後ろに、五条は立っていた。
当然、その動きに宿儺は驚いていた。









「生徒の前なんでね。カッコつけさせてもらうよ」









五条はそのまま宿儺の腕を片手で掴み、
もう片方の手で宿儺の首を殴る。
そのまま宿儺は吹っ飛ばされ、すぐに起き上がる。









「(おそろしく速い？違うな)」









五条の術式を理解した宿儺は
笑みを浮かべてから再び五条へ向かって行く。

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