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64.式神 ページ14






…あのピンクの髪の男は見覚えがある。
伏黒と話す虎杖の顔を見て それは段々と蘇ってくる。

あれは確か、呪術高専へ入学する前。
初めて五条に会って、彼に追われて逃げていた時……
猫の姿で車に轢かれそうになった時に
身を挺して助けてくれた、あの彼。……そして、




"おまえ、守ってくれる人いねえのか…"




そう、言ってきた相手。


…正直に言うと顔を合わせたくないのが本音。
これは本当に何となく、である。
気まずいというかなんというか。
守ってくれる人はいないだなんて…
自分は守られる存在ではないのに。
何も知らないくせに言わないで欲しいと、
怒りの気持ちとまでではないが何というか、複雑なのだ


伏黒と虎杖、2人が話す姿が見える。
自分がいない数時間の間に2人はどうやら
親しくなったようだ。…更に困った。
伏黒が関わったならば自分も関わらざるを得ない。
ましてや今は猫の姿、このまま接しなければいけない。

大体、どういうことなのだ。
伏黒は何故彼を連れてきたのか。


…まあ 自分は彼にとってただの野良猫だった訳だし、
彼自身は覚えていないだろうから
別に問題はないのだろうが_____









「俺の式神だ。見えてんだな」




「?」




「呪いってのは普通見えねえんだよ。
死に際とかこういう特殊な場面では別だがな」









一方、伏黒は 後ろで呪いを食べている
自分の式神へ指を指して虎杖へ軽く説明した。
2匹の犬を見る虎杖の視線がその後 横にずれていくと、
少し離れたところにいる白い子猫へ向けられた。
首元から垂れる2本の帯のようなものが光り輝いている。
猫…にしては少し変わっていた。









「あの猫も伏黒の式神ってやつなのか?」









虎杖の指差しにAはドキリと体が硬直した。
その目に伏黒もつられて
答えづらそうにAへと目を向ける。









「オマエ、どっかで………あ!あの時のアイツか!」









虎杖が何かを思い出し、懐かしむように頬を緩める。
Aの、彼は覚えてないだろうという考えが
一気に崩れ去った。

笑顔の虎杖、何処か視線が彷徨っているA、
2人の姿に伏黒は疑問を持つ。









「オマエ、式神って奴だったんだな。
…あれ?でも今 伏黒、
普通は見えないって言ってたよな?あの時、
俺以外の人にもあの猫見えてた気がするんだけど」




「……オマエの言うあの時は知らないが、コイツは
少し特別だからな。普通の人間にも視認できる」

65.正しい死→←63.飛び込んできた男



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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時

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