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86.虎杖と白猫 ページ36






「な!折角だから、俺と伏黒で白神の所行こうよ」




「何でだよ」




「え?俺の事歓迎してくれないの、オマエら」




「急に行っても迷惑だろ」




「んー、じゃあ!あの猫探そうぜ!」









これからの空白の時間、
虎杖は動いていたいらしく伏黒を誘う。
猫もAもどちらも同じ奴なのに。
どうしろというのだ。伏黒は思わず頭を抱えた。









「悠仁、猫なら探さなくても大丈夫だよ」




「え?」




「ほら、そこの窓 開けて見てごらん」









五条に言われ、虎杖は近寄ると窓を開けた。
五条の意味深な笑みに伏黒は
何を企んでいるのと思いつつ、
虎杖の上がった声に再び顔をそちらへ向けた。









「あ…猫……」









真高い木の枝に座り、首元の帯を2本靡かせて
ジッとこちらを見つめる真っ白な猫。

思わず口から出た言葉よりも
虎杖の目は猫に惹き寄せられる。
やはり、不思議な気配…____綺麗というものか。

見惚れる虎杖の横で覗き込む伏黒は
猫の方を見ては五条を見て、
五条はただただ笑っていた。
彼が何か仕掛けただろうと伏黒はすぐに見極める。


何かを待っているように虎杖を見つめる白猫。
何秒見ていただろうか。
ハッとした虎杖は猫がどこか行く前に声を上げた。









「俺!オマエに言いたい事、あって…」









虎杖の言葉を待つように、猫は動かずそこにいる。
自分の言葉をあの猫が理解出来るか
分からないけれど、伝えたかった。









「この前、学校で俺の事助けてくれてありがとな!
オマエはさ、本当は…すげえ奴だったんだな!
俺なんかよりも、ずっと…ずっと、
呪いとかいう奴らと戦ってたんだろ?」









体を乗り出して真っ直ぐに伝える虎杖。









「でも、あんまり無茶しないでくれ!」









虎杖は苦しそうに、
まるで自分の事でも話しているかのように、
とても真剣に本音を口にした。









「オマエ、強いから結構無茶するだろ?危ねえよ。
あの時も、震えてたし…」









車に轢かれそうな猫を助けた時、微かに…
本当に微かに震えていたのが猫の体から手に伝わった。
その感覚を思い出しながらギュッと拳を作る。









「誰かに守られるほどオマエが
弱くはないのは知ってる!でも…!
今度は俺もいるから!俺が!オマエを助けるから!」









"おまえ、守ってくれる人いねえのか…"




あの時は捨て猫だと思ってそう言った。
実際は捨て猫じゃなかったし、
戦えるほどに強いのかもしれない。
けれど、それでも助けたい。
強いのだとしても、自分よりも小さな体なのだから。

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結祈華(プロフ) - カノンさん» 好きと仰って下さりありがとうございます!嬉しすぎました!これからも頑張らせて頂きます。 (2023年1月27日 23時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - いえ!修正ありがとうございます!とっても好きなのでこれからも頑張ってください! (2023年1月27日 17時) (レス) @page31 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - カノンさん» カノン様。そうですね…間違えておりました。9ページの方を訂正させて頂きます。コメント及びご指摘頂きましてありがとうございました。 (2023年1月27日 11時) (レス) id: 074ff9457b (このIDを非表示/違反報告)
カノン(プロフ) - コメント失礼します。アニメ第1話部分で亡くなったのは、おそらく虎杖悠仁の祖父だと思うのですが… (2023年1月27日 11時) (レス) @page30 id: 3fc6711829 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結祈華 | 作成日時:2022年12月31日 20時

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