rumor,79 ページ38
視界がぼやけてくる。
あー、もう駄目だ…
私は目をギュッと閉じて、
気づけば頬を冷たいモノが伝う。
私が静かに泣いていると
明那は気づいたのか、
私を抱きしめる腕に力が加わった。
「でも、さ…1人で決めないでよ…
決めちゃったら、もう…戻れないんだよ?」
……ううん、明那、もういいの 決めた。
佐野の気持ちはもう消して、
今後彼とは関わらないようにして…
彼のことを思わないようにする。
こんなに苦しいモノならば、
"恋"なんてするんじゃなかった。
…って気持ちもあるし、同時に
"恋"って苦しいモノだということを私は知った
「…明那…明那は私の隣にまたいてくれる?」
「ッ、当たり前じゃん、バカ」
大好きな明那に、私は恋したかった。
「明那ァ……何で男の子じゃないの?」
「あんた…雰囲気ぶち壊し…
まあ、いつもの感じに
ちょっと戻って嬉しいけどね」
・
鞄を持って、家まで帰る。
空を見上げれば、晴れていたはずの空が
どんよりと曇っていて
これから雨が降るんだと分かった。
屋上から出た私は、
授業を受ける気分にならなくて
午後の授業はサボって、早退した。
鞄とかは明那が持ってきてくれて、助かった。
今、誰かと話しているだけで
私はきっと八つ当たりをしてしまうし
弱音を吐いてしまいそうで怖かった。
現に、明那には甘えちゃったし…ね。
ポツ
…ほら、雨が降ってきた。
傘なんて今日は持ってきてない、
というか持ってくるのを忘れた。
どんどん雨が降ってきて、
傘をささない私はずぶ濡れになっていく。
でも、走る気にもなれなくて
歩いていた足を止めて、空を見上げる。
顔に雨が落ちて、不思議とまた涙が溢れ出る
…あー、さっき泣いたのにな
泣いたのに、また涙が溢れてくる。
「(…はっ、バカだなー…私
明那にさ、佐野といると
傷つくって言われてたじゃん…
分かってたでしょ?)」
ダメだ…佐野の名前出したら また涙が…
でも、今は良かったなって思える。
この雨が、泣いてるのを隠してくれるから。
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結祈華(プロフ) - くりすさん» コメントありがとうございます!良すぎますか!!?嬉しいです!!w千冬オチも作ろうかなとか考えたりしちゃってたり…((楽しみに待って頂けたら嬉しいです!これからも宜しくお願い致します! (2021年9月6日 1時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - がーべらさん» コメントありがとうございます!そう言って頂けるのは嬉しすぎます!マイキーくんも千冬も良いですよね!!オチは2人作ろうかなとか悩んじゃってます((これからも宜しくお願い致します! (2021年9月6日 1時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
くりす(プロフ) - 千冬良すぎますねwこれは千冬落ちバージョンもみたい位続きが楽しみすぎますぅぅ (2021年9月6日 1時) (レス) id: 6dab28c1fc (このIDを非表示/違反報告)
がーべら(プロフ) - 小説の流れがすごい好みすぎて、読めば読むほど味が出て、いつも更新を待ってます!!マイキーも千冬も大好きなので、どちらのおちも見てみたい!!素敵な小説待ってます♪ (2021年9月6日 0時) (レス) id: 55cfc2b408 (このIDを非表示/違反報告)
結祈華(プロフ) - 春風駘蕩さん» ごりせめの千冬くんでございますッ!!!!!書きながら、千冬オチもありかなと考えたり…((コメントありがとうございます! (2021年9月5日 22時) (レス) id: c15c2ccbb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年8月25日 23時