74.東堂という男 ページ11
〜no side 〜
数分前、Aは伏黒たちがパシられた先の
自動販売機がある場所へと向かっていた。
その時、ズドンっと鈍い音が響いた。
貴方「(!……何、この音…)」
伏黒たちがいるはずの方角から聞こえたため
Aは歩いていた足を 今度は走らせた。
目的の場所へ、だんだん近づいてきて
遠くに2人の人影が映った。
伏黒?釘崎?……いや、違う。
Aの目に映ったのは、
地面に座り込む伏黒と、その伏黒へ向かって
大きい男がズカズカと歩み寄る姿。
その空気感が異常なのは、
遠くから見てもわかった。
Aは先程よりも、
素早く 地面を蹴って走り出した。
走り出し、伏黒たちへ近づいたAは
庇うように、伏黒に背を向けて立った。
東堂「オマエ…今、俺に呪力を飛ばしたな。
思わず足を止めてしまった。その呪力…いいな」
伏黒「A!!」
呪力を飛ばしたかどうかはわからない、
でも、無意識で飛ばしてしまったのだろう。
伏黒にこの男を近づけてはいけない…そう思った
貴方「……恵を殴ったの、貴方ですか」
伏黒「いい!!A!!そこを退け!
お前まで______」
「伏黒よりよっぽど面白いな オマエ。
気に入ったよ」
貴方「別に 貴方に気に入られても
嬉しくないです」
Aが東堂に向ける敵意は
会話をしても少しも変わらなかった。
「俺は 京都3年 東堂葵」
貴方「自己紹介なんて、余裕ですか」
東堂「俺の予想だが、オマエ
特級が内にいる "眠り姫"だろ」
真衣「!嘘…意識不明じゃなかったの?
何で起きてるのよ…」
釘崎「A!!」
東堂の指摘に、思わずAの瞳が揺らぐ。
……何故か、色んな人に"眠り姫"が定着してるのは
この際、ノーコメントとしておこう。
東堂の後ろ奥に、釘崎とひとりの女がいることも
Aは確認した。
貴方「貴方の名前は知らないけど、
私は"眠っていた"の。"永眠"じゃない。
"永眠"じゃなくて、ごめんなさいね」
"永眠"ではなく"眠り"ならば、
いつかは目覚めるものだよ。
そう最後に付け加えると、
真衣はチッと舌打ちをした。
一方、目の前の東堂はニヤリと笑みを深める。
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作者名:結祈華 | 作成日時:2021年1月6日 0時