五話。 ページ7
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「……」
さっきの一瞬で何が起こったと言うんだ。誰か教えてくれ。
「ミャー…」
まって、え?
どういうこと?なんで??
「ニャ〜!!」
私、猫になってるんですけど!?
どういう事よ??
しかもニャーしか言えないし…。
私がなってしまったのは黒猫。
なんか忠実に私の見た目を引き継いだらしく、
毛先が微妙にカールしている。
ほうほう…猫か…ふーん。
ってふざけんな!!
何で猫なのよ!私は人間よ!!
もしかして、さっきの事故で死んで、一瞬で転生したとか…。
だとしたら前世の記憶がある猫じゃない、レアね!!
……。
とにかく冷静になりましょう…。
私は地面に座る。
地面が冷たいし体が汚れる…嫌だなぁ。
よりにもよってなんで野良猫なのよ。
黒猫は好きだから良いけど…。
「ねえ見てママ!猫ちゃん!」
これから幼稚園に行くらしい少年が私を指さして言う。
おんおん、人間の頃から美人だったからな、忠実に受け継いだのね。
…誰も可愛いなんて言ってないって?
ああそうですか、ふーん。
「黒猫じゃない!ダメよ見ちゃ。不吉になるわ!それになんだか不細工な猫ね」
…お母さんもしかして犬派か?
よく見てごらん、このふわふわな毛並みにしなやかな尻尾。可愛いでしょ?
それに黒猫が不吉だなんて古いからな。
外国では幸運を連れ込む猫として人気なんだぞ。
日本でも一部の猫好きには絶大な人気を誇っているんだからな。
「でもママ…」
「幼稚園に遅れるわよ。早くいきましょ」
お母さんが少年の手を引いて去っていく。
そんなに嫌わなくても…。よく見たら可愛いのにな。
私はそう思いながら道を抜けて、路地裏に出た。
たぶん学校の近くのコンビニの裏だ。
コンビニの前で段ボールに入って鳴いてたら誰か拾ってくれんじゃね?
そう思ってコンビニの前に出るが、段ボールは無し。
…と思われたが。
おいおい嘘だろ。ヤンキーの兄ちゃんが踏んでやがる。
間違いない、私が通っている学校のヤンキーだ。
「ニャーン、ニャーオ」
そこのけてくれませんかね。
またはあんたら意外と優しそうなんで拾ってくれてもいいですよ。
「お、猫だ」
「こいつ野良猫じゃね?襲ってくるかも…」
「大丈夫だって、まだ子猫だし。ほら、シロちゃーん」
黒猫にシロってなんというネーミングセンスだ。
まあ何でもいいけど、とりあえずそこのけてくれません?
私はそう思ってもう一鳴きした。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時