四十六話。 ページ48
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あの後、私たちはさとみくんとビデオ通話をし続けていた。
今はもう切ったけど。
で、ころじぇるが帰ってちょうど、るぅあかねがやってきた。
……ところで、るぅあかねは完璧すぎない、これ。
「ちょっと待ってください!あと一.四グラム足りませんよ!」
「水の量、あと〇.六ミリリットルいるわよ!」
完璧すぎて怖いわ。
そんなちょっとの誤差は気にしなくていいのよ…。
逆にいつまでたってもご飯にたどり着けないんじゃないの、大丈夫?
私は心配になってきて、水の量を測っているあかねちゃんの手をなめた。
もうそれでいいよって。
伝われ、猫の気持ち!
「…そっか、早く飲みたいよね…。じゃあ、置くわね」
あーっ!伝わったあぁー。
ありがとう…さすがだわ、分かってくれたのね!
私は水を飲んだ。
…乾きが癒される!
さてと、るぅちゃんはどうしようかしら。
「あと、〇.五グラム…!」
いまだにそんなことを言っている。
家でもこんな感じなのかなるぅちゃん…。
るぅちゃんに飼われてるって言う例の白猫ちゃん…ネージュちゃんだっけ、大変そうね…。
でも適当にするよりはいいのかしら。
「るぅとくん、たぶん猫は賢くないから誤差なんて気づかないわ」
あかねちゃんがるぅちゃんに声をかける。
なんか一瞬バカにされた?
…まあ実際バカだからそんなちょっとの誤差、気が付かないけど。
「じゃあもうこれで良いですね」
るぅちゃんがため息をついて、私の前にご飯を置いた。
おー、やっと食える。
私はご飯にがっつく。
美味しくないけど、おなかがすいていたら食べたいわよね!
私は瞬時にご飯を食べ終わって、いつものクッションの上に乗った。
「見てください!ネージュ、こんなに大きくなったんですよ」
「へぇ、可愛いじゃん」
るぅちゃんとあかねちゃんのそんな会話が聞こえる。
ネージュって名前からして可愛いものね。
雪みたいに白くてふわふわなのかなー…いいなー。
私は黒いし毛先カールしてるから。
サラサラなのは羨ましいかもしれないわね。
「そういえば、Aちゃんって結構毛先がカールしてるよね」
噂をすれば、あかねちゃんが口を開いた。
人間の頃からのコンプレックスだからあんまり触れないで…。
「もしかしたら、セルカークレックスという猫種なのかもしれませんね」
なによそれ。
私ってただの雑種の猫じゃなかったの?
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時