四十一話。 ページ43
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「ごめん、俺、今日ちょっと忙しいから先帰るー」
「りょーかい」
私がご飯を食べ終わってクッションの上でうとうとしていたら、
玄関の辺りからそんな声が聞こえた。
……莉犬が帰えんのか。
なーくんは大丈夫なのかしら。
「そういえば言い忘れてたけど、さとちゃんは三日で帰ってくるって」
キッチンから出てきたなーくんが、コーヒーを飲みながらそう言った。
ふーん。
まあたまには実家に帰るのもいいと思うわ。
ということはちょっと待って、ころじぇるのあとの二人は誰?
残りからすると…るぅちゃんと…あかねちゃん?
でもあかねちゃん参加するのかな…。
「俺は今日、友達んとこに泊まるって言ってるから、今日はここにいるね」
さすがだわ、なーくん。
真面目過ぎる…。
でもそこが良いとこなんだけど。
「ニャークァン…」
私がなんとなくそう鳴くと、なーくんの瞳が輝いた。
え。なに…?
「今…『なーくん』って言った!?」
は?
……あー。響きはそれっぽかったけどなーくんとは言ってないわ。
なんとなく鳴いただけよ。
「そっかそっかー…ふーん!」
なーくんが嬉しそうにキッチンの方へ向かった。
手に持っていた、コーヒーのカップを片付けるらしい。
「…いやー、懐いてくれると嬉しいなー……って、痛ったぁあ!!」
ズドン。
な―くんが途中でスマホ充電器のコードに引っかかってこけた。
意外と…抜けてる?
でもまあそんなとこも嫌いじゃないよ。
いや、好きとかそんなんじゃないけど!
友達として、隙が無さすぎるのもどうかと思うし…。
なーくんは立ち上がると、痛そうにしながらコーヒーのカップを洗った。
「うーん…俺、猫飼ってて匂いついてるから嫌われると思ったんだけどなー」
水音となーくんの声しか聞こえなくて、なんだか眠気がメーターを越した。
猫って一日の半分以上を寝て過ごすから、なんかすぐ眠くなるんだよね…。
熟睡は一日に三時間程度しか来ないんだけど。
私は気づけば眠っていた。
…………………………………
ん…。
朝か…早いな。
私はそんなことを思いながら体を起こす。
すると、私の体の上には毛布が敷いてあった。
なーくんかしら、ありがと。
「ンニャ―ウ」
私はあくびをしてからクッションから飛びおりる。
A選手、見事な着地!
……だと思ったんだけどな、なんか踏んでるわ。
私が見てみると、私の前足の下になーくんの手があった。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時