神様、猫になりたいなんて願ってません！【s/t/m】

二十三話。 ページ25

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「A、もう普通に歩けてるね」


さとみくんが私を抱っこしてそう言う。

足を挟まらせて怪我をしてから一週間。


足はほとんど完治！なんと猫の捻挫は一週間弱の様子見でOKらしい！

今では歩いても痛みも感じないし、普通に歩けるわよ。


「あーあ、お医者さんに診てもらうのに3000円も使っちゃった…今月は無駄遣い禁止だな」

「ニャーェ」


すまん…3000円ってなかなかよね…。


さとみくんは一か月に一回、親から50000円の仕送りを貰っているらしい。

でもやっぱ足りないものは足りないらしく、アルバイトをしているんだって。

コンビニとカフェでアルバイトしてるらしいわ。


「でもAが元気で良かったよ！お金なんかの問題じゃないからな」


さとみくんは私にそう言って、笑顔を見せた。

はぁ…ほんとイケメン…。

こんなに完璧な人ってなかなかいないよね…悪くないわ…。


「あ、俺、学校あるんだよねー。そろそろ準備しなきゃな」


え、行っちゃうの？

もうちょっとかまってよ。

まあ別に行かなきゃいけないんだから、仕方ないけどさ…。


私はそう思って、鞄を準備しているさとみくんを見た。

さとみくんの飼い猫になって、新たにいろんなさとみくんが知れた。


かっこいいけど、頼りないこともあるとこ。

センスは良いし優しいけど、女を見る目は悪いとこ。

誰よりも猫想いで、親バカなとこ。


まあ全部ひっくるめて私はさとみくんが好きだけどね。

…もちろん嫌いなとこも無くは無いけど。


でも、まあ…いいとこは全部好きですよ、はい。


私は少女漫画のヒロインみたいに「○○くんの全部が好き♡」っていう感じではないけど、

嫌いなところも好きなところもあるくらいがちょうどいいんじゃないの。


まあ男は全部を愛してくれる方が好きなのかもしれないわね。


「じゃあ、ひな、A、モカ、みみちゃん、俺、学校行ってくるねー」


さとみくんは玄関で笑顔で手を振った。


「ニャーン」

『いってらー』

『行ってらっしゃーい』

『気を付けてね！』


ペット四匹で同時に返事をする。

仲がよろしくて、いいんじゃないでしょうか。

はじめは少し気まずかったけど、今ではみんな仲良し。いい事よね。


ひなさんだけ男なんだけど、かっこいいし頼れるし、好き。

あ、そっちの好きじゃないから。


人間には戻れないかもしれないけど、未来でもみんなで仲良くできてればいいな…。



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