九話。 ページ11
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「ニュ…ニュァ…」
私はそんな声を出しながら目覚めた。
さとみくんが毛布をかけてくれていて、気持ちよく眠ることが出来たんだよー。
「お、起きた?Aちゃん、おはよー」
ね…寝起きのさとみくん!
可愛いぞ!!…寝ぐせついてるしパジャマ姿だし、あら可愛い!
「じゃあひな、みみ、モカも一緒にご飯食べよっか」
さとみくんはそういうとご飯が入った袋を取り出した。
…猫のご飯か。
固いし不味そう…、食べたことないけど。
でもお腹すいてるし、食べよう。
((カリカリ…))
うーん。味は微妙…。
なんか味が無いものをひたすら食べてるみたい。
私は人間のご飯の方が好きね。
「ニャオン」
そのパンくれません?
私はさとみくんの膝の上に乗って鳴いた。
さとみくんが食べようとしていたのは苺ジャムを付けた食パンだ。
おいしそう!
うちの家では朝はいつも和食だからやってみたかったのよね〜。
「あのご飯気に入らなかったの?」
「ミャー」
気に入らないっていうか、他のご飯でも嫌よ。
とにかく人間のが食べたいわ。
「…うーん、まだカリカリはだめとかなのかなー」
さとみくんが私を抱っこしてそう言った。
そこまで子猫じゃないわよ。
「そういえば年齢もわかんないし、今日休みだし、動物病院に行く?」
…できれば行きたくないわ。
動物病院って注射したり手術したりするんでしょ?それは嫌だわ。
でも私は一体何歳なんだろう…それがちょっと気になるわね。
「じゃあ行こっか、今日」
「…ニェ…」
嫌だ。
でもどうせ連れてくんでしょ?
それじゃあ行ってやらなくもないわよ。
「じゃあこの猫キャリーに入ってくれる?」
さとみくんが持ってきたのはテントのような鞄だった。
猫が入れるらしい。
私は中に入ってふんふんと臭いをかぐ。
なんかひなさんのにおいがする…。
「それ、昔ひなのお気に入りだったからにおいするかも」
さとみくんが笑いながらそう言った。
ひなさんのお気に入りっすか。
病院大丈夫な方なんですね。
すると…さとみくんが着替えていた。
「…ンニャッ」
驚きすぎて変な声が出る。
はっ!!腹筋っっ。カッコよすぎる、素敵ー!!
「じゃあ行こうか」
さとみくんが鞄の扉を閉めてそれを持ち上げる。
「ニャーン」
行くのは病院だけど、デート…とか思っちゃってもいいのかな……。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時