八話。 ページ10
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Aかー。
おんおん、Aねー。
…って、私の前世の名前ですよ、それ。
なに?知っててやってるの?
「可愛い名前だよね、A!うん、良い響きー」
まあいきなり変な名前つけられるよりはマシよね。
「ひな。モカ。この子の名前、Aちゃんにするね!」
さとみくんは私を持ち上げてそう言った。
おおっ!猫の胴体めっちゃ伸びる!
「Aちゃーん、じゃあこれからよろしくねー♡」
さ…さとみくんがデレデレだ…。
猫なで声も可愛いな、おい。
「あ、みみちゃんも来たねー」
『いま起きたの…』
そこには寝起きらしい猫がいた。
みみちゃんか。
可愛い…。
『Aちゃん。これからよろしくな』
ひなさんが私に向かってそう言う。
猫の見た目だからわかんないけど、なんかちょっと大人っぽい風貌を醸し出してる。
なんというか…ちょっと年上のお兄さんって感じ。
「ひなちゃーん、遊ぶ?」
さとみくんがレーザーポインターを取り出した。
すると…ひなさんの目がきらめいた!
おお、何が起きるんだ!
「ンニャッ!」
ひなさん、それは人間語と猫語のどっちですか…。
レーザーポインターの光を追いかけまくってる…。
意外とお兄さんじゃないかもな、まあいいや。
ていうか…さっきからなんでこんなにウズウズするのよ!
「ニャアッ!」
私も掛け声を発してレーザーポインターにとびかかる。
ううっ、元人間なのに!
さとみくんの前なのにっ!
猫の本能には抗えないってか…フッ…。
「あははー!Aも好きなんだねー、レーザーポインター!」
さとみくんが本体を動かしながら大笑いする。
さとみくんと遊んでいると、気づけば数時間が経っていた。
「ニャー…」
さすがにちょっと疲れたな…。
私はそう思ってクッションの上に倒れこんだ。
人間の時にはあんなに小さかったクッションが、猫だととても大きく感じる。
猫も…悪くないじゃない…。
私はそう思ってしまった。
いやほんと。なんかゆったりできるし、掃除なんかしなくていいし、
さとみくんと一緒にいれるし、悪くないわ。
うー…なんかウトウトしてきたな…。
今日一日いろいろありすぎて疲れた。
もしかしたこれは夢で、目覚めたら人間かもしれない。
そんなことを考えていると、頭がぼーっとしてきた。
あ、もうだめだ。
おやすみなさい…。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時