三十三話。 ページ35
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「皆さん聞いてください!僕、例の猫ちゃんを飼うことになりました!」
「良かったじゃない。おめでと」
るぅちゃんの「気になる子が出来ました」事件から数週間後、
またるぅちゃんと莉犬、あかねちゃんがさとみくんの家に来ていた。
さとみくんが一人暮らしだからって自由すぎるでしょ。
毎日のように来てるじゃない。
「名前はネージュにしました!
ネージュはフランス語で雪という意味の女性名詞なんですよー」
るぅちゃんがふわふわした笑顔でそう言った。
飼えてよかったわね。
ていうかやっぱり賢いなんだね、語学堪能。
「で?るぅとのお母さんが苦手なんじゃなかったっけ?
どうやって飼うとこまでたどり着いたの?」
さとみくんがそう言う。
そうよね、それで飼えないって言ってたもんね。
するとるぅちゃんが笑顔でこう言った。
「実はあの後、お母さんと猫カフェに行ったんです。
そしたらもうメロメロで、飼いたい子がいるって言ったらOKしてくれました」
「やっぱ動物って可愛いからね!」
莉犬が笑顔でそう言う。
そうかー。一度でも抱っこしたらもう好きになっちゃうよね。
私も人間の頃に猫、飼いたかったわ。
神社の柱を傷つけちゃいけないとかで飼えなかったのよね。
心残りだなー。
「で、三日前に迎え入れたんです!
父はユキっていう名前が良いって言ったんですけど、
ユキはさすがに単純すぎかなーってことで、ネージュになりました!」
るぅちゃんが本当に幸せそうにそう言った。
本当に良かったねー。
最期まで幸せにしてあげなさいね。
「それにしても、るぅとは恋とか好きな人とか無いのかよ」
「あ、俺そっちに興味ある」
さとみくんの言葉に、莉犬が賛同した。
私もちょっと気になるかも…。
例の事件は空振りだったけど、本当はホームランな気がするのよね。なんとなく。
「まさかー。僕はそんなのいませんよ」
るぅちゃんが両手を顔の前で振った。
本当かしら?
実は手の向こう側の顔は照れてたりして…。
「…学生は勉強すべきです!もちろん恋愛を全否定はしませんが、僕にはありえないですね」
るぅちゃんが真顔でそう言った。
Oh…マジか。
まあるぅちゃんが女の子と一緒に帰ったり、デートしたりしてるとこは想像できないかもな。
るぅちゃんの隣に並んでも違和感のない美少女なら別だけどね。
私はそんなことを思いながら会話を聞いていた。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時