三十話。 ページ32
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「ただいまー」
お、さとみくん帰ってきた。
今日はちょっと遅かったねー。
なーくんたちと寄り道でもしてた?
私はそう思いながら玄関まで行く。
そして、玄関のマットうえでゴロンと寝っ転がって、体をくねらせる。
これが最上級のお出迎えー!さて、存分にモフるが良い!
すると、さとみくんが私のお腹をモフモフと撫でた。
こそばゆいけど気持ちいいのよね、これが。
「あ、そういえば、今日はAちゃんにプレゼントがあるんだよねー」
え?なんですか?
昨日はキスだからま、まさかその続き!?いやいや、相手は猫だよ?
でも男子高校生は…そんなもん…いや、さとみくんに限って絶対にありえないわ。
「ちょっと静かにしててね…」
え、え、さとみくんの手が首元に向かってくるんですけど。
まって!まだ心の準備が__。
カチッ。
…は?
「うん、やっぱ似合うね、可愛いよ」
私が今さとみくんにつけられたのは首輪のようだ。
赤い鈴と、白ベースの生地に小さくフリルがあしらってある。
…可愛いじゃない…ふーん。
こういうのも…まあ嫌いじゃないわよ…。
さとみくんはもう一度微笑んで、私の横を通り過ぎた。
「ひなとみみにも買ってきたよー!」
さとみくんの声に、ひなさんとみみちゃんがさとみくんの足元に寄っていく。
「モカは、新しいリードね!」
さとみくんはペットショップの袋からリードを取り出した。
早速散歩に行こうと、モカちゃんがゲージの中でくるりと回る。
首元がちょっと温かくなった…というか、なんか、安心感がある感じ。
鈴の後ろにあるプレートには「A」とこの家の住所が書いてあった。
「気に入ってくれると嬉しいんだけど…」
さとみくんがひなさんに首輪を付けながらそう言った。
ひなさんのはAの色違いの青、みみちゃんは黄色だ。
可愛いから気に入ったわよ。
ていうか、さとみくんからのものだったら気に入らないわけないでしょ…。
『さとみくーん!お散歩いこーっ』
モカちゃんがそう言って、ゲージをひっかく。
するとさとみくんが笑顔になって、「しかたないなー」と笑った。
お散歩ですか?いってらっしゃーい!
さとみくんは新しくなったリードをモカちゃんの首につけると、玄関まで出て行った。
「じゃあ俺、ちょっと出てくるからー」
そう言うと、さとみくんは家を出て行った。
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影の黒鷺 - 絵宙(えそら)さん» ユーザー認証…私が見るときには出てこないんですけど…どうなんでしょう。こちら側としては設定していないので、運営さんのバグですかね…。運営さん…(´;ω;`) (2020年5月26日 16時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - ユーザー認証が必ず出てくるんですが私だけですか…?(´ ; ω ; `) (2020年5月26日 10時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 影の黒鷺さん» 私の小説も読んでくださってたんですね!とても嬉しいです泣 これからもお互いがんばりましょーね! (2020年4月11日 14時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
影の黒鷺 - ゆらさん» そんな風に言っていただいて本当に感謝しかないです…!私もゆらさんの小説が大好きでいつも見させていただいております。応援ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2020年4月10日 22時) (レス) id: 4d7a8fb4ac (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 黒鷲さんの作る小説って、キャラ設定がしっかりしているうえに、それがブレちゃわないところがすごいと思います。。。夢主ちゃんのツンデレな性格がとても可愛いんだけど、さとみくんと気持ちがすれ違っちゃうともどかしくなっちゃいますねwこれからも応援してます!! (2020年4月10日 21時) (レス) id: 7e1be6dd9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:影の黒鷺 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kagenokurosagi/
作成日時:2020年4月3日 15時