Reason 29 ページ31
*
「Aちゃんって変わったよねー！」
「……？変わった、とは」
休憩中の1年マネージャーが世間話をしているときに、ふと私の話題があがった。
「えっとね、私達と初めて会ったときのAちゃんはすごい警戒してたっていうか自分の心を頑なに閉じてるって感じがしたんだ」
「そうそう！私たちと一線を引いてる感じ！」
さつきさんと敦子さんにそう言われ、私は驚いた。
何故なら彼女たちの言っていることが大体当たっていたからだ。
「実を言うとその考え、大体あっています」
「え、そうなの！？」
私の言葉に驚くさつきさん。
「はい。昔色々あって人と関わることが苦手で……。その所為で皆さんを嫌な気持ちにさせてしまったかもしれません。
すみませんでした」
「いやいや、私たちは別にそんなこと思ってないよ！」
美希さんの言葉を皮切りに他の2人も「全然気にしてないよ！」と言ってきた。
「自分でもこの苦手を克服したいんですけど中々難しくて……」
本当にどうすればいいのやら……。
腕を組んで「うーん」と悩んでいると敦子さんが口を開いた。
「じゃあ私たちのことをさん無しで呼んでよ！」
「え」
「だって今すぐにその問題を解決するなんてムリだし、まずは人との距離を縮めるようにしないと！」
敦子さんは「ね、ね！」と目をキラキラと輝かせながら渡しに詰め寄ってきた。
「ぜ、善処します」
「今すぐ！」
あまりにも迫力のある声に私は怯んでしまった。
何と呼べばいいのか分からず、私はさつきさんの呼び方で呼んでみた。
「えっと……あっちゃん、でいいですか？」
「！！…うん！」
「わ、私も！」
「さっちゃんに……、みっちゃん」
私が3人の名前を口にすると、全員パアァと効果音のつくような笑顔を私に見せた。
「本当は今すぐ敬語も外してもらいたいんだけど……
「あ、それはムリです」
…だよねぇ。でも名前呼びになっただけでも一歩前進したよ！」
「……まぁそうですね。これからもよろしくお願いします、さっちゃん、あっちゃん、みっちゃん」
「「「うん！」」」
いつか敬語も外せたらいいな、なんて思ったある日の放課後だった。
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高村涼也(プロフ) - 霧月さん» コメント有難うございます。カメ更新な上に拙い文章ではありますが、精一杯頑張ります。 (2015年8月9日 18時) (
レス) id: 74e89393c2 (このIDを非表示/違反報告)
霧月 - とても面白いです！！！更新頑張ってください！楽しみにしています♪ (2015年8月9日 18時) (レス) id: e601f87f67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：高村涼也 | 作成日時：2015年2月12日 1時
