【黒子のバスケ】私が帝光中学校バスケ部に入部した理由(ワケ)

Reason 28 ページ30

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待ち合わせ場所の校門には兄さんが立っていた。



「兄さん、おまたせ」

「おー」



その声は部活帰りだからなのかとてもだるそうだった。

ここ最近は私も兄さんも忙しかったから、碌に会話もしていない気がする。



「A、何か良いことでもあった？」

「え、なんで？」



突然のことに驚きを隠せない。



「なんでって言われても、最近帰りが遅いしAの顔が嬉しそうだったから、かな？」



確かに良いことはあった。でもそれを何の脈絡もなしに当てられたことに驚いた。



「確かに良いことはあったよ」

「お、やっぱりな！で、良いことって何なんだ？

ま、まさか男絡みか！？男絡みなのか！？」



男絡みって何だ男絡みって。



「兄さんが思ってるようなことじゃないから安心して。実は最近とある人の自主練に付き合ってるの」

「自主練？」

「うん。でも全然上達しないの」

「？？その人は初心者なのか？」



それにそれが良いこととどう繋がるんだ？



兄さんにそう言われる。

まぁ普通に考えたら何でってなるよね。



「いや、経験者だよ。いつ始めたのかは知らないけど」

「ふーん……。ん？でもそれだと上達しないって変じゃないか？」

「やっぱり兄さんもそう思う？」



兄さんも違和感を覚えたようだ。



「実はその人、シュートもドリブルもお世辞にも上手いとは言えないんだよね。
でも彼なら何かやってくれそうっていうか……言葉では言い表せないけど、そんな彼に少し興味があるんだ」

「きょっ！……へ、へー。そんな人がいるんだな。一度会ってみたいな」



兄さんが何故か動揺したけど気にしない。



「うん、兄さんも一度会ってみるといいよ」

「そうだな。Aが言うんだからきっとこれから大物になるんだろうな！」



その後、私達はたわいない話をしながら我が家へ帰った。







………黒子くんの運命が変わるまであと2週間。

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