波紋4 ページ5
そんな時、薬研の手が透けていることに気づき、慌ててその手を掴んだ
しかしそれは一瞬だったようで掴んだ時にはもう普通に戻っていた
「レイ姉？」
『あっごめんね！いきなり掴んだりして…(気のせい…なの？)』
「俺っち何かした、か？」
『違うの！…その、薬研の手が透けた気がして…私の気のせいみたい！』
そう言うと薬研は自分の手を見つめてスッと目を細めた
「…俺っちはいつ戻るからからない状態だからな、もしかしたら急に居なくなっちまうかもしれない」
『そう、だよね…でも兄弟や仲間の元に帰れるんでしょ？』
「そうだけど…」
薬研は少し寂しそうに私を見つめた
そんな目で見られたら…私まで悲しくなるでしょう？
「レイ姉と会って思ったんだ、すごく綺麗で優しいなってな…それに、レイ姉の傍にいると暖かくなるんだ…」
『そう思ってもらえると凄く嬉しい…私も、薬研はいい子だと思う』
「…もし、もしも一緒に行けるとしたら…レイ姉も来ないか？俺っち達のところに」
『…行けるのならば、行ってみたいな』
行けるのであれば
私も薬研の兄弟や仲間に会ってみたい
でも、そんなのできるわけない
期待をするな、希望を持つな
そう自分に言い聞かせた
薬研は嬉しそうに笑って「じゃあ俺っち達の姉上になってくれ！」って言った
私も笑って頷いた
でも…そんなのできるわけない
そう思っていた時だった
今度は見間違えなんかじゃない
薬研が透け始めた
今度は本人も気づいたようで驚いて自分の手を見ている
私はいたって何も変わらない
『タイムリミットみたいだね…』
「俺っちまだレイ姉と話がしたいっ！！」
しかし現実は残酷
そんな薬研の願いを嘲笑うかのように段々と消えていく
「レイ姉！…また、会えるよな？」
『きっと、どこかで会えるよ』
「帰ったらレイ姉の事、兄弟や仲間に話して自慢する！だからっ！…俺っちの事、忘れないでくれよ？」
『忘れないよ…絶対』
最期に私に向かって手を伸ばした薬研
その手を掴む前に消えてしまった
『…忘れられないよ』
そう呟いた私の声は、誰もいなくなった部屋に響いた
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黒にゃんもす(プロフ) - 雪華さん» とんでもないです！これからもどうぞよろしくお願いします( ´∀｀ ) (2016年7月17日 1時) (
レス) id: 0a8de8ba0c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - へー、そうなんですね！ 勉強になりました、わざわざありがとうございます (2016年7月17日 0時) (レス) id: d054797bd9 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんもす(プロフ) - 雪華さん» 目の黒い部分には色素成分がなく、血液の色が透けて見える為赤目に見える人がいるそうです。←一応調べてそう言う設定にしてます（＾＾） (2016年7月17日 0時) (レス) id: 0a8de8ba0c (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - アルビノなのに目が赤いんですね… (2016年7月17日 0時) (レス) id: d054797bd9 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃんもす(プロフ) - 沫閑さん» ご指摘感謝します！ありがとうございます！ (2016年7月4日 10時) (レス) id: d629d88941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒にゃんもす | 作成日時：2016年6月23日 21時
