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勿論、直接聞いたことはないんだけど、態度を見ていればわかる。
お姉ちゃんの前だと、彼は私に向ける笑顔とは違う笑みを浮かべる。
それに気づいた時、私はとっても傷付いて、いっぱい泣いた。
美人で優しいお姉ちゃんに敵うわけない、と諦めようとしたけれど、どうしても諦めきれなくて、私は決意した。
絶対に振り向かせてみせるって…！
それをみかちゃんと嵐ちゃんに伝えると、二人は頷きあった。
そして嵐ちゃんは私の手を握り、言った。
「柑菜ちゃん、アタシ、協力するわ！」
「嵐ちゃん…！」
「おれも柑菜ちゃんの力になりたい！」
「みかちゃん…！」
嵐ちゃんもみかちゃんもいい人すぎる…
私、なんていい友達を持ったんだ…。
「そうと決まれば早速振り向かせる方法を考えましょう！ふふふ、現役モデルの力、見せてあげるわ…！」
「おれも服のことは色々わかるで！」
「二人共、頼もしい…！」
「まぁでも、柑菜ちゃんは普段からオシャレに力入れてるからあんまり役に立たないかもしれないけど…」
「そんなことないよ！嵐ちゃん私より数倍オシャレだし女子力たかいし！ほんと、憧れだよ！」
「柑菜ちゃん……うふふ、こんなに可愛いんだもの！すぐにその人も柑菜ちゃんのこと好きになるわ！」
そういいながら嵐ちゃんは頭を撫でてくれる。
「ありがと、嵐ちゃん。みかちゃんも」
「いいわよ〜これくらい！」
「普段から柑菜ちゃんに色々してもらってるからええよ〜」
そうやって三人で和んでいると、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
昼休みの後の授業が違う教室で行われるので、私達は急いで教室を出て移動した。
その道中でも、彼を振り向かせる方法を話し合った。
＊
「ただいま〜…っていっても一人だけど…」
現在の時刻午後19時30分。
独り言を呟きながら、私は一人暮らしをしているアパートの部屋に入った。
今日のプロデュースユニットはKnightsで、2日後行われる野外ライブで披露する曲のダンスと歌の確認をした。
相変わらず瀬名先輩の毒舌が炸裂してたな〜…。
まぁ、かわいがってはくれているだろうけど。
そんなことを考えながら部屋着に着替えてベットに寝転がり、携帯を開いてSNSをチェックする。
何件かメッセージが届いていて、その中には嵐ちゃんとみかちゃんとの三人グループもあった。
早速返信しようと思ったら、ポコンと音がなり、携帯が新しい通知を知らせた。
続く (更新停止中)
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作者名：独り歩き | 作成日時：2019年5月18日 10時
