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【84】 ページ39

私はお嬢様の薄くしわの入った眉間を一瞥し、ため息を吐いた



「昨日のこと、覚えていらっしゃらないんですね?」



「お酒飲んだことは覚えてるよ

美味しかった」


いつも通りの飄々としたトーンで返され、私はまたもやため息をつきそうになる



『ため息を吐くと幸せが逃げるんだぞ』



どこの誰か分からない声が頭の中で不意に再生される




「ねえ、教えてよ

私、昨日何したの?」

そう言いながら、お嬢様が両手で私の腕を掴む

ちょっとだけ腕をずらして、手を包み込んでほしい、という頭の片隅の願望を追いやった




恐る恐る、という感じは全くないが、多かれ少なかれ緊張はしているようで、瞳は真剣だった




「あ、それより先に服着なよ

寒いでしょ」



その緊張から一気に解き放たれたようなあっけらかんとした口調でお嬢様が言う



まあ、寒くはないんですが




恐れ入ります、と答え、5秒で服を着る



服を着た私は、お嬢様に昨日会ったことを具に説明した



さすがに服を脱いだくだりは、効き目が皆無だったことも含めて話しづらかったので少々ぼかして話した




「ほー」



説明を終えると、なんとも気の抜けた返事が返ってきた



そして数分間ほど何かを考える素振りを見せ――いつも通り下唇をぎゅっと噛んだ――にっこり笑った









「なかなかやるねえ、昨日の私!」

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設定タグ:黒執事 , セバスチャン
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すず(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか‥‥‥!セバスチャンのカッコよさを出せるか不安だったので嬉しいです(*´-`)今後もよろしくお願いします! (2017年12月23日 9時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしました~!夢主ちゃんの可愛らしさもビシバシ伝わってきて、読んでて悶絶してしまいましたwwこの小説大好きです(*≧∀≦*)応援してます! (2017年12月22日 22時) (レス) id: f655168611 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ANNAさん» コメントありがとうございます!そうですね‥‥セバスチャンとのイチャイチャには次次回くらいには書けると思います!それまで楽しみにしててもらえると嬉しいです! (2017年11月4日 9時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ANNA - この小説、すごく好きです!セバスチャンとのイチャイチャが楽しみです〜〜低評価に負けず頑張ってください(*^^*) (2017年11月3日 22時) (レス) id: 6a0acf7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 伶花さん» コメントありがとうございます!オープニングと被ってましたか!(聞いてない)嬉しいお言葉本当に感謝です!励みになります‥ (2017年9月8日 16時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すず | 作成日時:2017年6月30日 21時

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