【79】 ページ34
お嬢様をそっとベッドに寝かせ、布団を掛けようとしたらガシリと腕を掴まれた
「どうなさいました?」
お嬢様の顔を覗き込むと、
「寒い」
眉間に皺を寄せた強張った表情から、かまってほしくて言っているわけではないというのがひしひしと伝わってきた
「嗚呼、酔いが覚め始めると体温が下がることがございます
きっとそれでしょう」
只今湯たんぽを持って参ります、とベッドを離れようとしたら、腕を掴んだ手に力が込められた
「寒いの
一緒に寝てほしい」
もう片方の手で布団を捲り、私を招き入れようとする
今までのお嬢様の様子を見てみると、信じられない事ではないのですが‥‥‥
一体どうしたものか
一応、“付き合って”いるはずなんですがね
どこからどう見ても誘っているわけではなさそうですし
これは‥‥‥教育し甲斐がありそうですね
仕方がないので今日のところはお嬢様に従いますか
布団に入るとお嬢様が体に腕を回して顔を胸に埋めてきた
とくん、と心臓が跳ね上がる
「寒い」
薄い桃色の柔らかそうな唇がそう言い、身体を擦り寄せてくる
閉じていた目がうっすらと開き、瞳が私を捉える
「‥寒い」
軽く唇を尖らせているその拗ねたような表情は、私に何かを催促しているようで、その催促しているものもなんとなくは解っているわけで
「寒い」
もう一度そうお嬢様が呟いたとき、私は腹を括って、お嬢様の細い体にそっと腕を回して抱きしめた
.
・
そしてその夜、私とお嬢様はベッドの上で共に時を過ごした
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すず(プロフ) - ルミさん» コメントありがとうございます!キュンキュンしていただけましたか‥‥‥!セバスチャンのカッコよさを出せるか不安だったので嬉しいです(*´-`)今後もよろしくお願いします! (2017年12月23日 9時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ルミ(プロフ) - めちゃくちゃキュンキュンしました~!夢主ちゃんの可愛らしさもビシバシ伝わってきて、読んでて悶絶してしまいましたwwこの小説大好きです(*≧∀≦*)応援してます! (2017年12月22日 22時) (レス) id: f655168611 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - ANNAさん» コメントありがとうございます!そうですね‥‥セバスチャンとのイチャイチャには次次回くらいには書けると思います!それまで楽しみにしててもらえると嬉しいです! (2017年11月4日 9時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
ANNA - この小説、すごく好きです!セバスチャンとのイチャイチャが楽しみです〜〜低評価に負けず頑張ってください(*^^*) (2017年11月3日 22時) (レス) id: 6a0acf7ad8 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 伶花さん» コメントありがとうございます!オープニングと被ってましたか!(聞いてない)嬉しいお言葉本当に感謝です!励みになります‥ (2017年9月8日 16時) (レス) id: 5963ed58b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2017年6月30日 21時