【拝啓】二次元の勧め【二次元を夢見る貴方様へ】

・ ページ22

・








私は何もかもに恵まれていなかった。



父親は、ロクに働きもしない。


母親は、取り柄のない私を死人のような目で睨んでいた。









・









『なんでかしらね。

昔はこの家が好きだったのに、いつからか一番居たくない場所になってるわ。誰のせいかしらね』


『近寄らないで! 吐き気がするの』


『なんで……なんでアンタみたいなの産んじゃったのかしら……』








・









裕福じゃ無い。



遊園地なんて、何時行ったのかすら記憶にない。




もう、逞しいパパと、優しいママはどこにも居ない。









「…………」








学校にだって居場所がなかった。




特に女や教師。




あいつらはいっつもそうだ。

私を表でも裏でも見下してーー……









・









・









『高橋さんって地味だよね』

『地味っていうか…シャレっ気ないんじゃん?』

『あー…“私あんた達とは違いますよ”的な?』

『どっちにしろ、仲良くなんかできっこないよ』









「…………」









『いじめを無くそう週間! 皆、アンケートに答えてね』

『本当の事、かいてね』









・









・







「……行く」









考えるまでもないわ。

こんな馬鹿みたいな世界に、未練なんてない。









「友達なんていない。家族だって私の事を分かってくれない。だから行く」

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←・

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す