【拝啓】二次元の勧め【二次元を夢見る貴方様へ】

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振り返って、後ろから声をかけた人物を確認した。



黒髪、どこにでもいるような髪型の男。

しかし目が違う。

澄みすぎている男の目は、青色に見えたり、赤色に見えたりした。







「……何スか。」



『なんだい、その挨拶は。無愛想過ぎないか？

　せめて、「どうも、こんにちは………」
　えっと…うん……あれだよ、「神崎様。」…だろう？』






どうでもいいが此奴は神崎というらしい。


百歩譲って私が無愛想だったとしても初対面でまず「様」はない。
どんな常識知らずだろうか。

あ、間違えた。馬鹿だった。





「…………。」


『………。』




どちらにせよ、神崎は待っているらしい。
私が「どうもこんにちは神崎様。」というのを。


ﾁﾗﾘ、と時計を見た。


門限まで、後一時間半弱…か。





「はあ……。
どうもこんにちは神崎様。」



『うんっ！苦しくないよ！』







付き合ってやることにした。

付きまとわれても迷惑だし。





『改めよう。
やあ、こんにちは。』





妙に自信ありげに挨拶をした神崎。





『実はね。僕は神なんだ！』




…………

…………

………………





「すいません、もう一回。」



『だから…僕は神、君たちが言う三次元と二次元を管理している神なんだ。』





………………

……………………

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