マリアに、懺悔。【1】 (ページ4)

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その日の夜、三ツ谷から電話が掛かってきた。

その時はまだケンチンも一緒に居て、電話に出て開口一番聞こえたのは『なぁ、マナカちゃんと連絡つくか？』。

後ろの方では妹たちが騒いでいるのか少し賑やかだったのが、嫌に耳に残ってる。
　
『マイキー？』

『実はね、俺も1週間くらい連絡つかない』
　
視界の隅で、ケンチンがぴくりと肩を揺らしたのが分かる。
　
『1週間？』

『三ツ谷もそれくらい連絡無し？』

『いや。俺はミシンの使い方教えて貰いたくて少し前から約束してたんだけど、今日来なくてサ。今までそんなこと無かったし、携帯も繋がんねえし』

『携帯が繋がらない？』

『おかけになった電話番号は〜…ってあるだろ。アレが流れる』
　
ドッと嫌な汗が噴き出した。
　
『…マナカちゃんに、なんかあったのか』

『わかんね。…ただ、今日ケンチンとマナカちゃんのバ先行ったんだけど、バ先の人達も連絡取れねえって』

『……どうなってんだ…？』

『分かんないよ、おれにも』
　
マナカちゃんだけが、この世界から綺麗に消えちゃったみたいな。

　
『…どーしよ、ケンチン』
　

どうしよう。

なんとか絞り出た声は何とも情けなかった。
　

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