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関東事変では一般人の女性が巻き込まれ、死亡している。調べてみるとどうやらその人は、1年近く行方不明になっていた女子大生らしい。
『彼女の名前は藤宮まなか。知っていますか?』
ナオトは死亡者リストに目を通しながら、俺にそう訪ねた。
『藤宮…まなか…?うぅ〜ん…過去では1度も聞いた事ない名前だな…』
『頭に拳銃で二発。あの場にいたということは間違いなく、天竺か東京卍會と何かしらの関わりがあるはずです。
…彼女については改めて、警察のネットワークを使って調べてみます』
『あぁ、俺も俺なりに調べてみるよ!』
とはいえ。
『…………俺も俺なりに調べてみるっていってもなぁ…警察の情報網と、俺個人の情報網とじゃ比べるまでもないし…』
ナオトと別れた俺は閑静な住宅街を、行くあても無いまま歩いていた。
黒川イザナ。
『…って、そういえば。元黒龍だったイヌピーとココって何してんだろ?』
2人の名前は死亡者リストには入っていなかった。つまりこの現代でも生きているということ。
『あの二人に会えばなんか分かるかもっ!?…………まぁ、どこにいるかも分かんねーけど』
我ながらにいい考えだと思ったが、居場所が分からないんじゃ意味が無い。
『黒龍かぁ……あ。』
ふと思い立った俺は、12年前…柴大寿と死闘を繰り広げた例の場所へと足を運んだ。
『…………うあー懐かしぃ!いい記憶ねえけど!』
どーん、と目の前に現れたのはレンガ造りの件の教会である。
ここで黒龍と戦って、結果未来はいい方に変わったって思ってた。俺は教会の椅子に腰を下ろす。
柚葉が大寿を殺すのを止めて、黒龍は壱番隊の下につかせて、稀咲も東卍から追い出した。なのに、未来は良くなってない。寧ろ、もっと酷くなってた。
『ぁー!もう!どうしたらいいんだよ、マジで!!』
問題ばかりが増えていく。未来を変えれば変えるほど、問題だけが増えていくのだ。
『うるせえぞ』
『あ、すいません…』
『オマエもアイツの冥福祈ってやれ』
『…ん?』
『アイツが死んでから、毎日ここに来るようになっちまった。八戒は天国でも、弱虫のままかな…?』
アーメン。
静かな教会に、地鳴りのようなひくーい声が、静かに響いた。
『た、たっ、大寿君!?』
鋭い眼光。俺がすっぽり影に隠れてしまうほど大柄な体格。間違いない!俺の目の前に現れたのは、柴大寿、本人だったのだ
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作者名:亜秀 | 作成日時:2022年2月6日 20時