マリアに、懺悔。【1】 (ページ12)

今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:35,282 hit

8 ページ12

微妙な空気が流れる。自分から聞いておいてと言うところではあるが、俺はこの空気を打開すべく別の話を振った。

『な、なんかマイキーくんの部屋、大人っぽいっすね！』
『まぁー、ほぼ真一郎くんのモノだかんな』

ドラケンくんはいつもの調子でそう返してきた。ま、まぁ、藤宮まなかの探りはまた別のタイミングで入れるとして、

『俺のものなんて、そのベッドくらいだよ』

『ま、マイキーくん！！』
『…朝っぱらからそんなおーきい声出すなよ』

むすり。とした顔。
いつものハツラツ(？)とした感じは一切見えなくて、ふわふわの癖毛があっちこっち向いてしまっている。

『てかタケミっちはどしたの』
『え？あぁ、』

かくかくしかじか。こんなことがありまして。

『……なるほど。黒川イザナ、あの絡んできたやつか…』
『え！？会ったの？』
『ウン！』

俺が話しているうちにすっかりいつもの髪型になったマイキーくんは『アイツが天竺の総長ね〜…』と呟いたきり、黙り込んでしまった。

『黒龍八代目総長、そして。いまは天竺総長、黒川イザナ…

真一郎くんと繋がってたのかもしれないな』

ぴりぴりとした空気が流れた。ちらりとマイキーくんの顔を覗くと、なんとも言えない顔。

『タケミっち。ここだけの話だ』

マイキーくんの髪を結び終えたドラケンくんが背筋を伸ばし、やけに真面目な顔でそう言う。自然と俺の背筋も伸びた。

『真一郎くんは、黒龍の創設者なんだ』

『……はい。』

『……ん？驚かねえのか？』

真剣な顔でそう言うドラケンくんにつられて、真剣な顔で『…はい』と真面目に返す俺。
し、しまった…！これ、未来で大寿君に聞いた話だ！！
背中を変な汗が流れていく。2人の名前はきょとんとした視線がなんだか痛い。

『いやっ、え、っと、びっくりしすぎて、声が…！』

『まぁ、いいや。…このことを知ってんのは俺とマイキー、それから場地とま…………まぁ、そんな所だな』

多分、藤宮まなかだ。ドラケンくんがさっきと同じような、しまった、って顔をしたから。
ドラケンくんはわざとらしく咳払いをして続けた。

『…一虎が黒龍と揉めて助けるって時、この話は東卍の皆の足枷になるからな』

『……おれは、九代目黒龍と揉める前に、兄貴と話をつけたんだ。

黒龍は兄貴の全てだった。けど、八代目がそれを変えた。

兄貴は俺にいったんだ。俺の好きにしろって、黒龍はお前に継いで欲しくて、俺のために残したチームだから、って』