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少しづつ、全てが繋がってきた。

黒川イザナが黒龍を引退して、3年後に横浜天竺を創った。
そして、東卍と揉めて、関東事変が勃発。

12年前の今、起きている事だ。

『どっちが…勝ったんですか』

『お前も知ってるだろ』

『あ、いや、えっと、』

『…まぁいい』

じとりとした視線を向けてくるナオトに目で弁解しながら、大寿君の言葉を待った。

要約するとこうだ。

長引いた抗争はどっちが勝ったとも言えない状態であり、東卍と天竺。ふたつが合併することで手打ちになった。
トップにはマイキーくん、ナンバー2に稀咲、そしてナンバー3に黒川イザナ…。

結局、稀咲が東卍に戻ってくる運命なのか…?
いや、でも稀咲は、


『…稀咲は死んだんだ』


『稀咲は本当に死んだのか?橘ナオト』

『…タケミチ君。黒川イザナのことを調べました。黒川はどうやら警察に顔が利く…予想以上の大物です』

『え、』
 
どっ、と心臓が一際大きく跳ね上がった。

『稀咲を死人にした、そうだろう』

『稀咲を海外へ逃がし、死体を用意して偽装した…』

『そんな馬鹿な…じゃあ、きさきは…』
 
存外情けない声が出た。
 
『生きてます。
 
…佐野は死んで、稀咲は海外。実質、今の東卍のトップは黒川イザナだ』

写真を持つ手が震える。マイキー君がドラケン君以上に信頼を置いていた黒川イザナという人物。その名前に覚えはない。

そしてふと思い出したのは件の女子大生。
 
『………そうだ、藤宮まなか…!大寿君!藤宮まなか、って女の人知ってる?』

『藤宮まなか……あぁ、関東事変のあの夜に銃殺された女か。目の前で見てなかったのか。

撃ったのは稀咲鉄太。黒川はやたらあの女にも心酔してた。』

『稀咲に、殺された…!?』

『……稀咲が撃ったんですね』

『でもなんで一般人が…?』

『…これは風の噂だから確証はねえが、藤宮まなかは佐野真一郎の女だった。どういう形であれ、佐野にも繋がってたんだ。佐野を追い詰めるために女を誘拐して、久しぶりの再会も虚しく目の前で殺した』

『!』

『これで佐野の心は完全にボロボロだ』
 
藤宮まなかは黒龍の創設者、マイキー君のお兄さんの彼女だったのか。マイキーくんとは言わずもがな、黒川イザナとも繋がってて、稀咲は目の前で彼女を殺すことでマイキーくんの心を壊した。

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作者名:亜秀 | 作成日時:2022年2月6日 20時

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