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『あ、れ。でも、藤宮まなかって行方不明だったんだよね』
『そうです。捜索届けが受理されてはいましたが、一般家出人となっていたので警察の捜索もそこまででした』
『うおお、警察のあれこれはわかんねーけどさ…藤宮まなかって関東事変が起きるまでずっと行方知れずだったんだよね?
なんであの場に居たんだろ…空白の1年、藤宮まなかを、なんていうか〜…ユーカイ?してたかもしれないやつがいるってことだろ?』
『んな事するのは精々、黒川ぐらいだろうな』
『…もし仮に黒川が彼女の失踪に関わって居たのなら、彼女が死んでしまった今、真実は黒川しか知らないという事ですね』
ナオトは手帳にメモしていた手を止め、小さく息を吐いた。
『十分、有り得る話です。彼女は他人から恨みを買うような人物でも無さそうでしたから、第三者が怨恨の線で犯行に及んだ、というのも薄い』
ただ…
ナオトはそう呟いて眉を顰めた。
『た、ただ?』
『18そこらの子供が、女子大学生を1年近く、ずっと軟禁していたというのが引っかかります。』
『お前らも覚えてるだろ。アイツらはガキのままごとみてえな喧嘩するやつらじゃねえんだぞ』
『彼女側にも、理由があったとしか、』
『藤宮まなか側にも、理由が…?』
『…これはこれは。元上司の二人がコソコソと密談か?』
突然聞こえた第三者の声に振り返る。見知った黒髪と、火傷痕のある顔の2人組。
厳しく鋭い眼光が俺たちを捕まえて話さない。
『ココと、イヌピー…!?』
大寿君がぐ、と不機嫌そうに唸って、吸っていたタバコを灰皿に押し付けた。
『…テメェら、東卍の兵隊ぞろぞろ引連れて何しにきやがった』
『黒川の命令でテメェらを拉致しにきた。黒川を嗅ぎ回ってるお前らは東卍の敵と判断した』
『…はは!テメェら如きが俺の敵だと?黒龍にしがみつき続けてきた男と、黒龍の財布だった男!』
立場を弁えろ、半端者のカス共。
大寿くんがそう吐き捨てるように言うと、一瞬二人は怯んだ…ように見えた。
『…花垣、裏から逃げろ。流石に分が悪ぃ。
橘ナオト、八戒の死の真相を暴いてくれ。俺は佐野がやったなんて思ってねえ。どうやって佐野の懐に入ったか知らねえが、裏には絶ッ対ェ黒川イザナがいる
八戒の無念を晴らしてくれ、いいな_____』
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作者名:亜秀 | 作成日時:2022年2月6日 20時