白鳥に憧れたあひるは、何時か空を飛べるのか

２２話 ページ22

アレンが寝室にいくまでは勉強をして、寝室にいったあとにシャワーをあびる。
ここまではいつもと同じ。でも今日は、大事な任務がある。

「よーし！つくるぞー！！」

エプロンをして、印刷したレシピを手元において、ケーキを作る。

クッキーくらいは作ったことがあるけれど、ケーキははじめてなので、簡単なレシピを頑張って選び、そこに少しアレンジを加えるつもりだ。

作るのは、マリービスケットで作るケーキ。
ラムレーズン入りの生クリームをビスケットの間にはさみながらビスケットを重ね、そのあと残りのラムレーズン入りの生クリームを表面にトッピングし、うえには今日選んだサンタさんとゆきだるまのメレンゲ人形を飾る。
実はアレンに買ってきてもらった理由のひとつは、料理用とはいえラム酒の年齢確認を避けるため。

それだけ。

なぜそれを一日前から作るのかというと。

まずラムレーズンは四時間くらい浸けたいし、ケーキをしんなりさせるのに寝かせる必要があるからだ。
驚いたあとで、少しでも笑って欲しいから、アレンにはばれたくないし。

ラム酒にレーズンを浸けたあと、眠気と戦いながら３時間英語の宿題をしながら耐え、生クリームを泡立て始める。

生クリームにラムレーズンをいれて軽く混ぜ、、その生クリームをはさみながらビスケットを重ね、上から生クリームを塗り、形を整えると・・・

結構きれいにできたかも！

気付くと時刻は３時を回っていて、あんまり遅く起きたら不振な目で見られるかもしれないと思い、慌ててケーキをラップで包んで冷蔵庫の中にうまく隠れるように入れ、あらい物をする。

流石に疲れたのか、ソファーに座ったとたんに眠気が襲う。

あ・・・せめてかけ布団被んないと風邪引いちゃう・・・

なけなしの理性もつかの間、ふっと意識がとおのいた。

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